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インスピレーションの故郷 「聖母のルネサンス」石井美樹子 [ルコ的読書]

「対象」をまず「対象そのもの」として見るべきであるのは当然だ。
しかし多くの人間は古来から「対象」から受けるインスピレーションを「対象以外」の場所から来ているという考えを持っていた。
現在でもそう信ずる人は多いだろう。
それはキリスト教圏であろうがなかろうが同じことだ。
インスピレーションを「単なる脳内の反応」と考えるか、それとも「対象以外」の場所から来ている可能性もあり得る。
合理性を重んじれば前者となるだろうが、それだけでは無味乾燥な世界となりそうだ。
「対象以外の場所」などということを狂信すれば危険だけれど、そんな可能性に「想いを馳せる」というだけでも人間の限界が拡がりそうな気がする。

エル・グレコの時代と前後して、「受胎告知」は廃れてゆきます。と同時に、この世の事象は即物的なモノになりさがり、そこに神の意志を見るという神秘的な人間の感性も失われていゆきました。

                 「聖母のルネサンス」石井美樹子
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