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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強く美しくする」講座~斉藤工、三津谷葉子「欲動」のセックスシーンと映画のテーマ。2016年10月14日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強く美しくする」講座~斉藤工、三津谷葉子「欲動」のセックスシーンと映画のテーマ。

「欲動」という映画があって、監督が女性の杉野希妃。
杉野希妃の名は「きき」と読みます。
杉野希妃と「韓国とのつながり」を云々する向きもネットではありますが、わたしは芸術作品を鑑賞する際にそのようなことで「観る前から嫌い」になったりはしません。
「欲動」のあらすじは、一組の日本人夫婦がバリ島へ行くのですが、夫は重い病に蝕まれて余命いくばくもない模様。
そんな夫との関係が険悪になってくる妻。
夫を斉藤工が、妻を三津谷葉子が演じています。
100分足らずの作品ですが、まずまず楽しめた。
バリ島ロケだからといって、しょっちゅうケチャなど定番の風景が出てくるのはいかがなものかとも感じていたけれど、さほど違和感なく映画中へ溶け込んではいる。
とは言えやはり、「バリ島で再生」という前提自体、余程巧妙な構造にしなければ(またこの景色か・・・)という感覚に捉われざるを得なくなる。
「欲動」がそうした懸念を「見事に払しょくしているか?」と問われれば、そうとは言えないのです。
まあ「しっかりと人間を見つめよう」という心意気は伝わってくる作品です。
その点、近年の日本で目に余る「お涙頂戴」「癒します、観に来てちょ!」といった愚劣な作品群とはまったく違う。
杉野希妃監督が意識していたかどうかは分からないが、ギリシャ神話・ギリシャ悲劇を想起させるシーンがあったのも心地よかった。
ただ「欲動」というタイトルからも連想されるように、この作品の大きなテーマであるセックスと三津谷葉子演じる妻とのつながりがもう一つ切実に伝わってこなかった部分はあります。

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