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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強く美しくする」講座~泉鏡花と黒木華、「何物」と朝井リョウ、そして「愛の渦」のヤバい新井浩文。2017年1月27日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強く美しくする」講座~泉鏡花と黒木華、「何物」と朝井リョウ、そして「愛の渦」のヤバい新井浩文。

・泉鏡花の映画化を黒木華主演で観たいですねえ。
かつての日本映画、最高の「妖しい」映画は様々あった。
市川雷蔵の「眠狂四郎」や「大菩薩峠」は男優の「妖しさ」の極致です。
あ、そう言えば、他の俳優が「眠狂四郎」を演じてもつまらなかったのは、ぜんぜん「妖しさ」がないんですね。

そして「妖しい」傑作日本映画として、溝口健二「雨月物語」、黒澤明「羅生門」が代表格として挙げられる。
両作品とも京マチ子が主演。
京マチ子とタイプは違うけれど、
黒木華はその域に迫るポテンシャルを持つ女優として認識すべきです。

・「桐島、部活やめるってよ」が映画化されてとても高く評価され、原作の朝井リョウは小説界を超えた知名度を得たわけですが、実はわたしこの映画はさほど好みではなく、朝井リョウにもあまり興味はありません。
手法は目新しいけれど、ディープな何かを感じないのですね。
それはさて置き、朝井リョウ原作の新作映画「何者」はキャスト的におもしろそうだと。
公開予定が2016年10月の「何物」は、主な出演者が、

佐藤健、 有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、 岡田将生、山田孝之ら。

興味深い出演陣です。
二階堂ふみと有村架純がこうした映画で共演するとは。
監督は三浦大輔。
三浦大輔は劇団ポツドール主宰。
自作「愛の渦」映画化で映画監督としての評価も高めています。

池松壮亮主演映画「愛の渦」は、演劇の脚本を演劇の演出家がそのまま感得した映画としてはなかなかおもしろく、日本のメジャー俳優が出演している作品としては珍しくハードなベッドシーンが多いものですが、池松壮亮はじめよく頑張って演じていた。
中でも新井浩文がよかった。
インチキ臭いと言うか、インチキそのもののヤバい人物を演じさせてこの自然なこと。
そう言えば新井浩文、2016年日本アカデミー賞で優秀助演男優賞にも選ばれて壇上に座っていたけれど、

(あれ、何でここにヤバい人が来ているの?)

という違和感プンプンでよかった。

映画だけでなく、芸術の世界、(ホントにヤバいんじゃ??)という雰囲気の人間がいなければおもしろくない。
別に新井浩文を(ホントにヤバいんじゃ??)と思っているわけではないけれど、でもそんな感じありまくりですよね。

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