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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強靭に美しくする」講座~ルーマニア人俳優ザビン・タンブレア主演『ルートヴィヒ』とドイツロマン主義絵画。2017年4月20日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強靭に美しくする」講座~ルーマニア人俳優ザビン・タンブレア主演『ルートヴィヒ』とドイツロマン主義絵画。


ニュージャーマンシネマの頃はヘルツォーク、ヴェンダース、ファスビンダー、シュレンドルフらが、作家性の高い、あるいはかなりクセのある作風の映画を連発していて、それはなかなか刺激的で、今観てもおもしろい作品は多かった。
そんな時代も今は昔、現在のドイツ映画は、少なくとも日本で公開されている作品たちは、かつての「クセのある」ドイツ映画のイメージとはまったく違い、「誰でも楽しめる」よりエンターテイメント性の高い作りのものが多くなっている。
それはそれで映画として間違った方向ではなく、エンターテイメント性が高く、しかもクオリティも上質な作品が多く、なかなかに楽しませてくれる。
何度か取り上げている2012年のドイツ版『ルートヴィヒ』もその一つで、重厚長大華麗の極みとも言える、ルキノ・ヴィスコンティ『ルートヴィヒ』とはまったく違う路線で制作したのは間違いではない。
ルキノ・ヴィスコンテのようなことができるのはルキノ・ヴィスコンテだけであり、少しでも真似しようとしたら、失笑物となるのは間違いないところだから。
そもそも主人公ルートヴィヒ2世を演じたルーマニア人俳優ザビン・タンブレアがが実物のルートヴィヒにまるで似ておらず、しかしポップなタッチには似合った軽さが際立っている。
ただ、この『ルートヴィヒ』を観て、わたしが一番愉しかった部分は、作品中要所でドイツロマン主義絵画を彷彿させるシーンが出てきたこと。
遠い山の向うの空のその向こうに何かあるような。

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