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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「映画『サプライズ』に出てくる嫌ったらしい男とは?」。2017年9月17日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「映画『サプライズ』に出てくる嫌ったらしい男とは?」

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

映画『サプライズ』がおもしろい、という話をしていたけれど、そこそこグロなシーンはあっても、そうした部分が効果的に楽しめるのは脚本の段階でしっかりした人物の描き分けや会話のおもしろさが造形されているからに他ならない。
例えば、両親の結婚35周年祝いのために集まった家族10人のパーテイーシーンでの会話。
参加者の一人がどうやらアート&インディぺンデンス系の映画監督であり、参加者の中で一番横着な口をきく別の男がこんなことを言う。
「長編映画よりも僅かの時間で表現するコマーシャルの方がアートじゃない?短い時間で素晴らしい表現をする」

と、まあこんな意味の話をする。
いやあ、

「こんな嫌ったらしい人間、いるよね~」

の世界である。
映画監督を相手にわざわざ「CMの方がアートだ」などと言い、そしてどう見てもその男は、「映画についてもCMについてもまったく知らない」様子なのだ。
こういう人間のこういう会話をしっかり、しかも実に自然に入れているからこそ、作品全体がよりふくよかになり、(また観てみようか)という気分を起こさせるのだ。

●原稿依頼などは、気軽にサイドバーのアドレスへご連絡を!

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