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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「吉永小百合『映画女優』の「おしっこしてやる」という「放尿」台詞を聞きながら、今後の吉永小百合について考えた」その1。2017年9月22日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「吉永小百合『映画女優』の「おしっこしてやる」という「放尿」台詞を聞きながら、今後の吉永小百合について考えた」その1。

末尾ルコ「映画俳優演技論」

市川崑監督の『映画女優』は田中絹代の半生を吉永小百合が演じたことで公開時は話題になっけれど、期待ほどのヒットはしなかった作品だ。
田中絹代主演の映画はある程度観ているが、この大女優の全貌を知るほど鑑賞するにはとてもとても至っておらず、そもそも観たくても不可能な作品もかなりあるはずだ。
とは言え、溝口健二監督の『山椒大夫』『西鶴一代女』の田中絹代を観ただけでも、その芯から湧き出るような迫力は伝わってくる。
その田中絹代を、もちろん日本映画史上のスーパー女優である吉永小百合が演じることに、格的には問題ないけれど、いかんせん世界でも稀に見る「生涯清純派」の吉永小百合が構えて演じているのがありありと見え、それだけに「吉永小百合にしか」見えない。
作品中、「おしっこ、してやる」と啖呵を切って、畳の上で「する」シーンが公開当時宣伝にも使われていたが、それも「話題作り」のためのシーンであるのが見え見えで、映画は観客が来なけれな成り立たないので「話題作り」は構わないのだけれど、そのシーンに魅力がなければ何にもならない。
もちろん吉永小百合が本当に映画の中で放尿するはずもなく、「放尿したよ」と思わせるだけで、「放尿の最中」の姿も満足に描かれていない。
と、何を書いているのか分からなくなってきたが、「放尿」という行為はエロティシズムを考える上でけっこう重要ポイントであったりするのだ。

あ、映画としては『映画女優』、なかなか観るべきところは多い作品である。

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hana2017

「おしっこしてやる」…と言えば、田中絹代。
一見清純でつつましやかに見えるものの、一筋縄ではいかない芯の強さが現れている言葉だと思います。
彼女の出演作品は「雨月物語」「山椒大夫」「異母兄弟」「楢山節考」そして「サンダカン八番娼館」くらいしか知りませんけど、地味な外見や演じた役柄に反して大胆な方ではなかったかと、渡米後の有名なエピソード=投げキッス事件にしても然り。
外見やイメージと異なるのは当然、吉永小百合その人も同じ。でなければ、あのヤクザな世界でここまで第一線で活躍、生き残ってくるのは不可能であったろうから。
しかし同時期に田中絹代を演じた、秋吉久美子の方がしたたかさでもって近しいものがある。「おしっこしてやる」に違和感も感じられないように思いました。
by hana2017 (2017-09-22 16:40) 

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