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●村田諒太VSアッサン・エンダムの判定大炎上は、「今のつまらないボクシングの世界」を知らなかったことが一番の原因ではないか。 [「言葉」による革命]

●村田諒太VSアッサン・エンダムの判定大炎上は、「今のつまらないボクシングの世界」を知らなかったことが一番の原因ではないか。

末尾ルコ「格闘技の話題で知性と感性を鍛えるレッスン」

「ボクシング・WBA世界ミドル級王座決定戦」として5月20日にで行われた村田諒太VSアッサン・エンダムはいろいろな意味で「格闘技」というものを考えさせられる結末となり、その後の視聴者の反応なども興味深い展開ではある。
試合の翌日にWBA会長がツイッターで「(自分の)採点では村田が117―110で勝っていた」という趣旨の発言をし、「直接の再戦」を示唆しているが、いち早く日本人のご機嫌を取りに来たという感ではあった。
しかしわたしはあの晩すぐに短い感想をアップしたように、あの試合内容では「エンダム勝利」もかなり高い確率であり得て不思議はないと、試合直後に感じたのであり、いつもながらの放送席の客観性のなさに正直呆れたものだ。
まあ民放地上波のスポーツ放送の堕落ぶりを今更どうこう言っても仕方ないが、少なくとも解説者は、「この展開では、村田の反対負けもあり得る」という点、十分視聴者に理解させるべきだったと思う。
プロボクシングの世界でこの試合以上に分かり難い判定は日常茶飯で起こっており、そもそも

「今のボクシングは、こういうものだ」

と視聴者に分かるような放送をすべきだった。
つまり、ジャッジによっては、と言うよりも、ジャッジの大部分は「手数」を重視することは、ちょっとボクシングの試合を観ていれば誰でも知っていると思うのだが。
「有効打は村田の方が多かった」というのは事実だとわたしも思うし、「殴り合いでどちらが強いか」と問われれば、それも「村田」で間違いないだろう。
しかし今のプロボクシングは、「どちらが強いか」を競う格闘技ではなく、「どちらがルールの範囲内で〈勝ち〉を演出するか」で勝敗が決するものとなっており、はっきり言って、

「つまらない試合がとても多い」

そんな世界になっている。(おもしろい試合もあります←フォロー)
だからわたしも近年はボクシングと疎遠になっていたのだが、ボクシングは基本的に米国中心のスポーツカルチャーであり、その世界で大きな実績を上げようとすれば、「その世界に合わせる」か、「すべてKOで勝つ」しか方法はないのだと思う。

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(。・_・。)2k

あの試合は あの結果でもおかしくはないですよね
KOできなきゃアウェーな訳ですし

by (。・_・。)2k (2017-05-25 00:51) 

いっぷく

ボクシングは私はさっぱりですが、村田が消極的だとか、審判が日本人に辛いなどと分析されているとおりなら、判定に持ち込まれた時点で、負けだったのではないでしょうか。
挑戦者は、KOで文句なしの勝ちしかないのでしょう。プロレスだって、伝統あるタイトルはピンフォールでないとタイトルが移動しないようになってましたね。もちろん、そのような複雑なルールで、各テリトリーで不測の事態からチャンピオンを守っていたわけですが、チャンピオンの交代は、新チャンピオンの時代が来た、ということが観客にわかりやすく示される儀式にょって行われるべきという考えで、KO勝ちしか移動なし、ということで腹決めてがんばってほしかったですね。帝拳ジム本田会長の話はその決意はなかったようで、弁解じみていると思います。

>昭和の日本ではプロレスの地位と注目度が高かったので、外国人レスラーもけっこういい気分で試合へ出ていたのではないかなと。
マスコミは、プロレスマスコミが何紙誌もあるし、それゆえ日本のファンは水準が高いし、(いいことかどうかは別として)プロレスを一般のスポーツのジャンルから完全には外していないかったのでアスリートとして評価してくれるし、たとえばイレブンpmという日本テレビの夜のバラエティ番組に、ルーテーズは特別ゲストとして出演して、ジャイアント馬場戦のインタビューを受けていました。そしてどんなガイジンも、巡業中はサイン攻めにあったそうです。
何しろ「日本帰りは出世する」と言われていたぐらいですから、それ以外でもいい事尽くめだったと思います。
まず報酬がいい。力道山時代からの厚遇を守ってきたのに加えて、移動費が団体もちで、宿やタニマチが食事を出してくれることもあるので、お金が残りますよね。
しかも、電車やバスでみんなで一緒に移動するので、ずいぶん勉強になることもあったそうですし、日本のマット界はアメリカのレスラーの序列を100%踏襲するとは限らないので、頑張れば「本場」では格下でも日本では上に行けるという希望がありました。アメリカでは三流だったジプシージョーなどは、そこできちんと学んで上に上がっていきましたよね。スタンハンセンもそうですね。逆に、アメリカでは強豪のはずが、日本ではそのような扱いではなかった人もいましたが。
でもそれは日本人レスラーにも言えることで、昔は新しいシリーズが始まるたびに巡業がありましたが、今は地方会場の衰退と、大都市集中型興行、1シリーズの期間の短縮などがあって、長い巡業がなくなったですよね。それどころかレスラーとは所属契約もきちんと結べず、フリーや他団体のレスラーをその時々で呼んで興行を行っているので、団体のカラーとか、所属選手たちで切磋琢磨するという経験もないように思います。
by いっぷく (2017-05-25 01:34) 

えくりぷす

いっぷくさんの記事へのご感想をよく拝見しております。
私は、前の比嘉大悟がKO勝ちした試合でも、途中採点では相手がリードしていたので、ジャッジが同じ判断をするなら危ないと思っていました。
また、村田の場合は、ディフェンスがブロックばかりなので、有効打かそうでないかがわかりにくいのではないでしょうか。派手なダッキングやスリップでパンチをかわせば結果は違っていたようにも思います。
いずれにしろ、帝拳の作戦負けではないでしょうか。
by えくりぷす (2017-05-26 18:58) 

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