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●夜に検索はお勧めできない、恐るべき「怪奇レスラー」のモノクロ写真!とりわけ「ロス・クラネオス」! [「言葉」による革命]

●夜に検索はお勧めできない、恐るべき「怪奇レスラー」のモノクロ写真!とりわけ「ロス・クラネオス」!

末尾ルコ「プロレスの話題で知性と感性を鍛えるレッスン」

「怪奇レスラー」あるいは「怪奇派レスラー」のお話を続けると、特に『プロレス入門』などで子ども心をグサリと貫いたのが、ザ・マミー、ザ・シーク、ザ・コンビクト、あるいはグレート・アントニオやスカル・マーフィらもその中へ入れることができるだろう。
しかしこうした怪奇レスラーが猛威を奮えた大きな要因の一つが、「情報伝達の手段がモノクロ中心だった」ことであるのは間違いない。
モノクロ写真に残るこれら怪奇レスラーたちは、今見てもかなり怖いですわ。
だから夜とか、あまり馴染みのない方は、「怪奇レスラー」で検索しない方がいいですぜ。
と、心温まるアドバイスをさせていただいたのだけれど、わたしがプロレスを観始めた頃、テレビはとうの昔にカラーとなっており、全日本プロレスのマットではなかなか「怪奇レスラー」は成立し難くなっていた。
ザ・シークなんかも「怪奇」というよりも「凶悪レスラー」という風情だったし、紹介写真で「怪奇」を大いに期待したバロン・フォン・ラシクのファイトスタイルは、あたかも「キモカワゆるふわ愛されキャラ」の先取りのようだった。
国際プロレスのマットで戦う姿を写真だけで見ていたジプシー・ジョーには「怪奇」を感じていたけれど、よもや後年全日マットで、「椅子で何度も殴られてもくじけない我慢強いおじさん」化するとは想像だにしなかった。
思えばいずれ少年少女のアイドル的レスラーと化してしまうアブドーラ・ザ・ブッチャーも日本プロレスに初登場した頃は間違いなく「怪奇」なムードを纏っていたはずなのだが。
かようにリング上で「怪奇」を貫くのは困難なのである。
そんなわたしが子どもに『プロレス入門』などで見て、(こいつは怪奇だ・・・)と心に残り続けていたレスラーがいたけれど、しかしネット検索は便利なものである。
既に『プロレス入門』など家にないわたしでもそのレスラーをこの2017年に確認できたではないか。
その名も、

「ロス・クラネオス」!

廃墟ないし洞窟をねぐらとしている(←こらこら 笑)二人のマスクマン。
その二人並んだモノクロ写真が見事だったのだ。
髑髏と猿を合わせたようなマスクでしかもプリミティブなメキシコの荒野(かどこかはもちろん知らないが)の背景に溶け込んでいて禍々しい。
正しく「怪奇レスラー写真」の名作中の名作であり、結局来日は叶わなかったけれど、そしてリングで戦う姿はきっと噴飯物だっただろうけれど、1枚か2枚のモノクロ写真ンは頑是ない日本の少年の生涯の「暗黒宝物」となっているのである。


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いっぷく

スカル・マーフィは、全身無毛で怪奇派でしたね。ただ馬場の16文キックの生みの親ということになってますし、日本ではアジアタッグも取ったし、前職は弁護士というプロフィールといい、レスラーとして狂乱というより、ピストル自殺という最期を含めて生き様そのものが怪奇な感じですね。
でもブルート・バーナードとの若い頃のモノクロ画像は、凄みを感じるシリアスなコンビという印象です。
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/9c/4d535ee6e34e08efc993da3e72e444b6.jpg
2人とも怪奇というよりすごくいい顔しています。晩年の新日本に来たときのバーナードは、もうだいぶ衰えていましたが。
ザ・マミーは、中が黒人だったので、包帯の白と目の部分の黒が対照的で子供の頃は怖い感じがしました。しかし、後に素顔や、別の覆面で国際プロレスの常連になってがっかりしました。さらにその後に馬場の本で、ロスのWWAは田舎団体で、その中の田舎レスラーがザ・マミーで戦うのも嫌だというようなことが書かれていて、ああ、やっぱりとダメ押しされた気分でした。

そうですね、ザ・シークは、少年キングとかプロレスの「啓蒙書」などにイラスト付きで書かれている説明では十分怪奇派だったのに、全日本の最強タッグで毎年フル出場してしまい、ただの老いた悪役になってしまいました。
グレート東郷も私には怪奇派でした。私がプロレスを見始めた時は、すでに日本プロレスが絶縁していたときなので現役時代は知らないのですが、紙媒体で、血を流した幅のある輪郭で髭面の薄ら笑いを浮かべた東洋人のイラストで、流血試合ばかりしていると書かれていて、老人のようにショック死はしませんでしたが、食事のときにグレート東郷のイラストを思い出すと食欲が失せました。実物を見たら、まあ善玉ヒーローにはなれないけれど、イラストほどはおどろおどろしくないなあと、こちらもちょっとがっかりしましたけどね。
悪役は、長くそのテリトリーにいてはだめですね。それと、イメージを大切にしてほしいですね。

ロス・クラネオスは日本に来ていたら、もしかしたらザ・マミーの二の舞いだったかもしれないので、写真だけで永遠に夢を壊さない存在、というのもいいかもしれないですね
by いっぷく (2017-07-27 01:53) 

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