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●オリンピック種目入りを目指しているという「eスポーツ」は、アーチェリーやビリヤードと共通点があるのか?あるいはアリーナ・ザギトワやエフゲニア・メドベージェワとプロレス。 [「言葉」による革命]

●オリンピック種目入りを目指しているという「eスポーツ」は、アーチェリーやビリヤードと共通点があるのか?あるいはエフゲニア・メドベージェワとプロレス。

末尾ルコ「スポーツ観戦の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

NHKでeスポーツについてちょっとした討論をする番組があって、NHKはこのところちょいちょいeスポーツを取り上げており、どうやら「eスポーツ関連でおいしい想い」をする考えがあるのだと予想できる。
AIやロボットやロケット関係もNHKはしょっちゅう取り上げるし、しかしそうしたテクノロジーが人間に完全に取って代わることはあり得ないのだけれど、「ビジネスチャンス」と見れば、いかにも当該分野が「盛り上がっている」という雰囲気を醸し出そうという内容の報道をするのがマスメディアである事実くらいは幼少時から家庭教育として定着させておきたい。

eスポーツ自体をやりたい方はやればいいし、わたしはゲームそのものをやらないからまったく興味ないのだけれど、「オリンピック種目入りを狙う」というeスポーツ関係者の動きについては違和感を持たざるを得ない。
件のNHKの討論の中で、ある出演者が「やはりスポーツは身体を使って汗をかいてというイメージが」と素朴な発言をしたことを受けて、別の出演者が「じゃあ、アーチェリーはどうなんだって話になりますよね」的なトンデモ発言をしていた。
件の出演者、「アーチェリーは汗もかかないし、身体も使わない」と思い込んでいるようだ。
この手の番組に「物事を知らず、ロクに考えもしない」人間が出演するのはよくあることなのだけれど、いや逆に言えば、「物事を知らず、ロクに考えもしない」こそこの手の番組へ出演しているのだとも言える。

それはさて置き、「スポーツ」の定義を「楽しむ・競技」の意味まで広げれば、将棋も囲碁もトランプも百人一首もにらめっこも「スポーツ」なのであり際限がなくなる。
では「スポーツ観戦」という観点から見て、わたしはどのような要素に魅力を感じ、テニスや格闘技を愉しんで観戦しているのかと考えてみた。
「勝敗の行方」は確かにスポーツ観戦の大きな要素だけれど、わたしにとっては、「スポーツ競技中に現われる、人間の身体による形態の美」を堪能するという要素が極めて大きい。

その観点から見れば、アーチェリーの選手が生み出す瞬間の美は言うまでもなく、ビリヤードの一流選手たちのプレー姿のも十分な形態の美が存在することがよく分かる。
そして「では、eスポーツは?」となると、やはり疑問符が付かざるを得ないのだが。

ところで女子フィギュア・スケート、ロシアのアリーナ・ザギトワやエフゲニア・メドベージェワがなかなか美しいのだけれど、フィギュアスケートとプロレスって、けっこう共通点のある競技だと感じている今日この頃である。

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いっぷく

正直、今回のオリンピックはニュースでたまに見るだけで、実況は全く見ていません。

それはともかくとして、麻生副総理は射撃競技で五輪選手だったわけですが、子供心に、射撃もスポーツなのかと疑問には思いました。
どうしてダーツがオリンピック競技にならないのか、という話題がたまにあるのですが、ビリヤード店は、ダーツも置いているところが多いので、もしかしたらビリヤード人口にダーツ人口は近いかもしれません。
要するに、競技人口が多いものは、オリンピックの種目にすると儲かるということでしょうか。
近代五種は世界のトータルで言っても200~300人ほど。あまりおいしい種目ではないですが、ビリヤードにしろダーツにしろ、それとは桁が2つか3つ違います。
ビリヤードの場合、スヌーカーは、ある不動産屋のオーナーがバブルの頃、オリンピックの競技を目標に協会を作ってましたね。会長は自分で、部下が役員。傘下の店舗は全部自分の会社のお店。イギリスからプロの選手をコーチで雇ってました。
でも実は日本にはすでに該当する協会が以前からホソボソと運営されていて、その衝突もありましたが、結局どちらもバブル崩壊後は姿を消し、日本ビリヤード協会という、全種目を総括する組織が引き取り、どういう経緯かは分かりませんが、オリンピックの競技になってました。
なにをもってスポーツかは、あとからつける理屈で、まあオリンピックにしたいと動ける人がどれだけいるかなんでしょうね。
2022年の北京冬季五輪に麻雀が申請されたそうですが、「冬季」というところがちょっとおもしろいですね。寒いときにこたつにでも入ってやってるイメージです。

>フィギュアスケートとプロレスって、けっこう共通点のある競技だと感じている今日この頃である。

アントンヘーシンクが言った「プロレスはアート・オブ・スポーツだ」につながる話ですか。
陸上や球技は数字が出ますが、フィギュアスケートは何回転などを見るポイントはあっても結局採点するのは人ですからね。シンクロナイズドスイミングや新体操もそうですね。
昔、UWFインターの試合を週プロが報じるとき、勝敗の他に、双方の「ダウン」と「エスケープ」もカウントしていましたね。あれはスポーツであると表現したかったんでしょうかね。
ジョー樋口の失神は、それと対極にあって、当時はみんなため息ついたわけですが、今はそれをなつかしんでいますね。
by いっぷく (2018-02-26 02:52) 

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