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●『ゴールデンカムイ』14巻を読みながら、漫画の「覚醒作用」について思い当たり、「お子さまの好きなキャラクターに関する意識調査」で『すみっコぐらし』に思い当たらず。 [「言葉」による革命]

●『ゴールデンカムイ』14巻を読みながら、漫画の「覚醒作用」について思い当たり、「お子さまの好きなキャラクターに関する意識調査」で『すみっコぐらし』に思い当たらず。

末尾ルコ「漫画の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

野田サトルの『ゴールデンカムイ』14巻を読んだのである。
『ゴールデンカムイ』最新刊なのである。
おもしろい、実におもしろい。
致し方ないところではあるが、『ゴールデンカムイ』にしても巻によっておもしろさに差はあるのである。
14巻はひょっとしたら、現在までの最高傑作ではないか。
鶴見中尉率いる第7師団が網走監獄を襲撃するエピソードが中心なのだが、実によく描かれている。
わたしは『ゴールデンカムイ』の中では鶴見中尉のファンなのである。

それはさて置き、前々から薄々と言うか、かなりはっきりと気づいていたのだが、おもしろい漫画を読んでいる時は眠くならないのである。
わたしは現在、新作漫画で継続的に読んでいるのは『ゴールデンカムイ』だけで、「漫画ファン」とはまったく言えないのだが、それでも『ゴールデンカムイ』だけでなく、たまに昭和の漫画、例えば、『包丁人味平』などを読み始めると深夜でも眠くならない。
で、わたしはもちりん、いやもちろん漫画より「活字だけの本」が圧倒的に好きなのだが、おもしろくても深夜などに読んでいると案外早い段階で眠くなる。
いつもお話しているように、わたしは常に10冊以上の各ジャンルの本を「読書進行中」状態にしているのであって、小説であれば最近は、大岡昇平『事件』、エミール・ゾラ『居酒屋』、そして阿部和重初期の短編などを、再読・再々読を含めて読んでいて、どれも非常におもしろいのだけれど、特に夜なんかは読み始めてから10分前後でうつらうつらし始めることしばしばである。
で、これはもちろんわたし個人の感覚なので一般化しようとは思わないけれど、しかしひょっとしたら小説と比べると漫画の刺激はある種の「覚醒作用」があるのではと思いついた次第。
そしてこれは、やはりある意味、漫画の危険性ではないのかなとも感じる。

ところで6月にバンダイが、「お子さまの好きなキャラクターに関する意識調査」の結果を発表しておりますね。
そのトップ5は、
1『それいけ!アンパンマン』
2『ドラえもん』
3『プリキュアシリーズ』
4『仮面ライダーシリーズ』
5『すみっコぐらし』

ふ~ん、『すみっコぐらし』って、わたし知りません。
しかし『アンパンマン』はこんなに人気あるんだ。
特に0歳からの低年齢の「お子さま」に支持されているようですが。

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いっぷく

私は『ゴールデンカムイ』は読んでいません。『包丁人味平』は読みましたが。『包丁人味平』はたまにコンピニ版が出るのですが、売上が悪いとやめてしまうのか、最初から最後まで揃いません。今手元に持っているのは、「目には目を!の巻」です。団英彦とのたたかいです。団のところに入り込んだり、味平の親父さんに恥をかかせるために活きの悪い魚を使わせたりしていますね。団も鼻が大きいですね。
コンビニ版というと以前は実話系週刊誌に連載されていたピカレスクまんががずいぶんでていましたが、2011年に暴力団排除条例ができてから消えてしまい、これはちょっと残念です。もちろん暴力肯定ということではなく、戦後史のひとつとして暴力団と為政者・官憲の関係や、個々の暴力団員がいかなる生き様だったのかは大変興味があるのです。といっても、2010年まではその世界はサッパリだったのですが、姫路の元警官の本作りを手伝った時に、まあ場所が姫路ですから、どうしてもその問題は避けて通れず、だけど普通の本だとなかなか頭に入っていかないので漫画を読んだら、あっという間に人や戦後の有名な事件も覚えてしまい、「仁義なきたたかい」のモデルと配役が一致しました。

>案外早い段階で眠くなる。

私は視覚的なものもあります。小説などはベタ打ちで組まれていますが、行間が詰まっていると目が疲れて集中できなくなり、そうすると眠くなることがあります。
よく文章と関連の写真が違うページに掲載されていることがあるのですが、たとえば写真は1ページ後とか。そういうときは、はやく写真を見ようとページがめくれるように頑張ってよむということがありますね。見出しもそうです。
ですから昔は、文章と写真、もしくは見出しと該当する文章がずれていると、下手くそな編集者とおもっていましたが、いまは逆に、読者を飽きさせずに引っ張る絶妙な割付なのだと気が付きました。もちろん、あまり離れすぎてはいけませんが、1~2ページぐらいがいいですね。あといつもそうだと疲れるので、たまに使うといい手法ですね。編集者は誤字脱字を直すだけでなく、そういう工夫ができてはじめて職能といえるのだとおもいます。

>それらの国はいまだ「批評」がなかりの力を持っているという点が一つ挙げられます。

先日再婚した王貞治会長が、娘の結婚相手について、「マスコミは駄目だ、どんな道でもいいから批評家ではなく自分で実際にする人がいい」というようなことを昔言っていたのですが、スポーツマスコミはプレーする自分たちに寄生して飯を食っている人というイメージがあったようですね。でも、スポーツマスコミが書かなければ、いったいプロ野球を国民が認知するのか考えたことあるのか、というふうに思い、王ファンだったのでちょっとがっかりしました。
まあ批評の内容もピンからキリまでありますが、それは批評に対してどう評価を与えるかという問題で、やはり批評というものの価値を「実際にする人」も認めてほしいですね。
そういえば、水野晴郎が映画を作ったとき、大島渚監督は、「あれはオタクなんだよな。それが高じて映画を作ったんだな」とバカにしたように言ってましたが、映画監督も評論家を寄生している生き物とみなしてバカにしているのか、水野晴郎個人に対する評価かは明らかにしませんでした。
by いっぷく (2018-07-02 04:03) 

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