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●大竹しのぶの「エデイット・ピアフ」はそんなに素晴らしいのか?~今はドタキャン問題で話題の沢田研二の「勝手にしやがれ」を井上芳雄が歌った『うたコン」~『ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?』のももクロが「シルヴィア・グラフよりずっとヘタ」は的外れの批判。 [「言葉」による革命]

●大竹しのぶの「エデイット・ピアフ」はそんなに素晴らしいのか?~今はドタキャン問題で話題の沢田研二の「勝手にしやがれ」を井上芳雄が歌った『うたコン」~『ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?』のももクロが「シルヴィア・グラフよりずっとヘタ」は的外れの批判。

末尾ルコ「音楽の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

山田姉妹が出演していた10月16日のNHK『うたコン』を観て、まあいろいろ感想があったわけだけれど、その一つが最近NHKにやたらと出てくる「歌手 大竹しのぶ」について。
大竹しのぶはエディット・ピアフの生涯を描いた舞台をやっていて、その中でピアフの歌を歌唱しているのだけれど、それをもって、「日本でピアフを歌う代表」のようにしょっちゅう「歌手として」テレビに出られても、少なくともわたしは困る。
俳優が歌手活動を兼務するのも、その逆も有りだとは思うけれど、ことは「エディット・ピアフ」である。
フランスだけでなく、世界がひれ伏すほどの歴史的偉人である。
大竹しのぶの歌唱力(?)でピアフの歌を表現できるとはとても思えない。
しかも昨年は『紅白歌合戦』へ出場し、ピアフの『愛の賛歌』を歌っている。
わたし自身は『紅白』に何の価値も見出してないが、多くの歌手たちにとってはいまだ夢舞台であるし、わたしにとってとても大切な山田姉妹にとっても『紅白』出演は一つの大きな夢であるのだから、それは当然応援します。
あるいは、丘みどりや市川由紀乃らにとっても、『紅白』連続出場がとてつもなく大きな目標なのだから、もちろん応援します。
そうした、「歌を命懸けでやっている」歌手たちの中に割り込んできて、「日本のピアフです」という顔で歌うだけのものが大竹しのぶにあるとはまったく思えないのである。

そして同じ日の『うたコン』で、ミュージカル俳優の井上芳雄が3曲(も)歌ったのだが、その中の一曲が沢田研二の「勝手にしやがれ」。
沢田研二はこの17日に予定されていた、さいたまスーパーアリーナでのコンサートをドタキャン(当日発表だったという)したことで話題になっていたが、そして今のジュリーがさいたまスーパーアリーナで公演を予定していたことも驚きだが、この件はさて置こう。
問題は、井上芳雄の「勝手にしやがれ」である。
全盛期の沢田研二のように歌うことは誰にもできないだろうし、似せようと思ったらヘタな物真似のようになってしまうだろうから難しいことは分かるけれど、この日の井上芳雄の歌唱はいかにも色気がなく、「ただ譜面通りこなしている」だけに聴こえた。
もちろんそれで満足するファンや視聴者も多いのだろうが、歌番組の企画としてある歌手に別の歌手の歌をカヴァーさせる時、「どの程度の粘度で視聴者(観客)に披露させるのか」もっと熟慮していただきたいところだ。

もう一つ付け加えておけば、例えばももいろクローバーZが初のミュージカル『ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?』で主演した時、「本職のミュージカル歌手と比べると、歌唱力がお話にならない」とかいう意見が出るのだけれど、これはまったく見当外れだ。
彼女たちはポップ界の大スターとしての存在感を期待されてミュージカル出演しているのであり、ミュージカル歌手には到底期待できないポップスターならではの説得力ある歌唱を披露しているのである。
「歌の魅力・魅惑」とは、計量化可能なものではないというのが原則。

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いっぷく

大竹しのぶは紅白に出たのですか。知りませんでした。もしかしたら聞いたことあるかもしれませんが、忘れてました。紅白を見ないだけでなく、関連情報自体関心がありませんでした。歌っていることも知りませんでした昔の映画やドラマばかり見て、今のことに疎くなっていますね。
大竹しのぶについては、先日も過去に関係した男は30人プラスアルファという自慢発言で話題になったことは知っています。夢を与えてくれるはずの芸能人としてはタブーを破ってまで、話題になりたい人なんだとますます嫌いになりました。仕事のための疑似恋愛という体裁の枕の是非に言及する気はありませんが、それをわざわざ得意になって話すというのは嫌ですね。
こいつにふさわしくない大仕事で、しかも全然サマになってないのに、なんでこんなにウケるのか、というのは善し悪しは別としてたまにあることです。けしからん、と思うとストレスが溜まりますし、いかなる価値観でもそれぞれ自由なので、そこに価値を感じる人がいるのはどうしてだろうということを最近は考えるようにしています。

>『これが青春だ』の真ん中に写っている人は竜雷太に似てると思ったら、竜雷太なのですね(笑)

そうです。『青春とはなんだ』が人気ドラマになって、主役の夏木陽介が映画に帰っていったのです。それで新しい俳優で新しい青春ドラマを作ろうとうことで、呼応するようなタイトル『青春とはなんだ』⇒『これが青春だ』を竜雷太で作ることになったのです。『ゆうひが丘の総理大臣』⇒『あさひが丘の大統領』というタイトルの付け方も、このノリだったかもしれません。
ところが、宮内淳の場合と違い、竜雷太の方はものすごい人気が出てしまったのです。竜雷太が撮影が終わってアパートに帰ると、見知らぬファンがご飯を作って待っていたそうです。個人情報を隠さない1960年代らしいエピソードですが、なんか妙に体がでかくて、仰るように老けていて、女の人が夢中になる感じがしなかったですけどね。
不思議な人で、過去に離婚歴が2度あるのですが、最初の人は結婚式の日に嫌になってしまい、2度目の夏桂子も結婚して間もなく破綻しています。でも夏桂子は、石立鉄男夫人だった吉村実子のように、結婚生活はないのにずっと離婚せずがんばってましたね。でも子供は一人できて(笑)、離婚後も夏桂子は竜雷太の本名のハセガワ姓を名乗っていたので、竜雷太がずっと忘れられないのかもしれません。

>岡田准一がテレビ朝日で『白い巨塔』の主役をやる

60年前の話をまたリメイクというのがそもそもいかがなものかと思います。胃の噴門部CTを事前に撮らなかったから、食道への転移を見逃したというのは、今の医療ではありえない話ですし、胃がんはピロリ菌が原因で早期なら治るがんとして認識も定着してきたので、根本的にストーリーを作り直さなければならず、そうなると最後は財前が胃がんで死ぬ『白い巨塔』の意味がなくなってしまいます。
唐沢のときも、財前が唐沢で、唐沢より背の高い長髪の江口が里見というのが、ストーリーに合っていませんでした。財前には威圧感があり、里見は真面目でひ弱なのです。財前が里見を見上げて話をしているシーンを見て嫌になってしまいました。
SPのときも岡田の身長は突っ込まれました。ジャニーズタレントが小さいから目立たないのかもしれませんが、決して体で威圧感を表現できる俳優ではないようにおもいます。威圧感のない財前を模索しているのかもしれませんが。
by いっぷく (2018-10-19 04:51) 

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