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●我が母、心臓バイパス手術後12日目に突然本人もベッドが見当たらなくなった理由は?~入院患者の多くが罹る「せん妄」とは何か? [「言葉」による革命]

●我が母、心臓バイパス手術後12日目に突然本人もベッドが見当たらなくなった理由は?~入院患者の多くが罹る「せん妄」とは何か?

末尾ルコ「母の話、医療の話題」

3月30日(土)手術後12日目

午後7時の面会で母の部屋に行くと、ベッドそのものがない。
(何だ?)
大事が起これば連絡があるはずで、それがなかったから大きな動揺はなかったが、いくらかの動揺はあった。
(ベッドがない、本人もいない・・・一体何があったのか・・・)
急いでナースステーションへ行く。
「あの、~(母の名)の家族の者ですが」
眼鏡でしっかりした体形の看護士が、
「あっ、~さん」と指し示した先は、ナースステーションの中のやや広いスペース、青いカーテンで仕切られている。
「~さんなんですが、夕食後にベッドで〈寂しい、寂しい〉とか言い出しましてね。ちょっとここにいてもらってます」
(寂しい・・・)

母はこういうことがある人なのだ。
精神的にずいぶんと胆が据わっているところもあれば、実に脆弱な要素もかなりある。
特にどうだろう、75歳を越えた辺りから、子どもっぽさが目立ってきて、それは必ずしも悪いことではなく、周囲の人たちに愛される正確にはなっているのだが、毎日2回面会に来ているのに「寂しい」と言われては辛いものがあるけれど、少し時間が経つとまたケロッとして軽口を叩き始める性格でもある。

それにしても、午後2時の面会の時からやや精神的に不安定になっていると感じたが、わたしなりの状況分析としては、つまり手術後肉体的には回復してきて、睡眠薬を使うこともなくなり、その分「頭を使う」時間が多くなっている。
だからどうしても時に悲観的な心情も表れてしまう・・・そんな状態ではないだろうか。
そしてこここそ、わたしがより強く母の精神を支えるべき時期だとあらためて痛感している。
そして、「せん妄」症状が薄くなるにしたがって、「自らのおかれた状況」がより正確に理解でき始めているという点も、それはいいことではあるけれど、時に悲観的感情を生んでしまう要素にもなっていると想像する。

・・・

「せん妄」について、少しお話しておこう。

入院患者、特にICUなどで昼も夜もなく集中管理された患者によく表れるのが、「せん妄」という症状だ。
まあこれは入院患者だけというわけでもないようだけれど、特に高齢の入院患者にはかなりの頻度で表れるという。
などということは、ICUは入った時点で看護士に説明されてわたしは知ったのだが、その人は「せん妄症状が出ても、いずれ直ります」と言った。
この入院時の説明は結果的にはとても意味あるものとなった。
この情報を知らずにわたしが心臓バイパス手術後の母と接したら、ある程度以上は動揺しただろう。
そう、母にもせん妄症状が表れたのである。

次のサイトで「せん妄」について簡潔に解説されている。

https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=40

同サイトから、一部を抜粋させていただこう。

///

「せん妄」は一般病院の入院患者さんでは10-30%程度に発症すると言われており、決して珍しい病気ではありません。典型的には、比較的高齢の患者さんが何らかの病気で入院したり、手術を受けた後に、急におかしなことを言い出したり、幻覚が見えたり、興奮したり、安静にできなくなってしまいます。

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コメント 6

(。・_・。)2k

せん妄の方 多かったですよ
それに やはり 寂しいといいナースステーションに
1日居る方も何名も居ました
誰でも不安になりますからあることなんでしょうね

by (。・_・。)2k (2019-04-02 00:58) 

いっぷく

私自身は今まで、検査入院で1晩入院した経験しかないので実感としてはわかりませんが、やはり入院生活が続くと不安になるのでしょうね。
妻が入院していた救命救急病棟は、隣で話していた患者が、次の日には亡くなっているということがあたり前のこととして毎日起こっていました。
救命救急ですからそれは特別のことかもしれませんが、普通の病棟でも、看護師は必要なときしか来ませんし、世間話で時間を潰してくれるわけでもありません。ICUは他の患者にも頻繁に処置をしますが、そいう光景も嫌な気持ちになるかもしれません。ひとりっきりですといろいろなことを考えて、どんどん自分を追い詰めていくことはあります。それはどの患者にも大なり小なりあることだとおもいます。
次男のいた小児病棟が、夜景のきれいな素晴らしい1人部屋(しかも差額ベッド代なし)だったのですが、それは大人にとってはよくても、子供にとっては寂しいだろうと、本人が求めなくても、次男はナースステーションにおいて置かれることが多かったですね。

>入院費、治療費などお金の工面も具体化していかねばなりません。

限度額適用認定証は取られましたか。
現在の保険医療は、一定額以上は高額療養費制度で後で返ってきますが、いったんは払わなければならないのですけど、限度額適用認定証をとっておけば、最初からその「一定額」を支払いの上限にできるので、絶対にとっておきたいものです。ところが役所はそれを普段は積極的に教えないので、大抵の人は知らずに(一時的でも)高額な医療費を払います。私は何かでそれを知っていたので、母も妻もそれで助かりました。

by いっぷく (2019-04-02 04:36) 

ぽちの輔

でも、病室が空になってたらビックリしますから
張り紙しておいてくれたらねぇ^^;
by ぽちの輔 (2019-04-02 06:59) 

wildboar

せん妄って、よくあることのようで、すぐに対応していただけるのですね。

by wildboar (2019-04-02 07:04) 

ニッキー

面会に行ってベッドもなくお母様もいないと
何かあったのかと思いますよねぇ(*_*)
「せん妄」、すぐに対処してもらえると安心ですね。。

by ニッキー (2019-04-02 07:25) 

ゆうみ

母が 同じ状態でした。
私が面会に行く日以外はずっと看護婦詰め所の隣の部屋に
ベッドごと移動でした。
そのことがわかる前は 週三回片道二時間かかる面会としてましたが わかってからは できる限り 母の元へ通いました。
一人っきりにしておくと 何も食べなくなって でも
だんだん 体調がよくなってから 一人で病室にいることも一人でご飯も食べることができるようになりました。

by ゆうみ (2019-04-02 21:41) 

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