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「ぼくらの音楽」の吉高由里子。「真夏のオリオン」北川景子の演技プラン [吉高由里子]

フジテレビの「ぼくらの音楽」でflumpoolと対談した吉高由里子だが、
相変わらず一つのポジションに留まることのない新種の有機体のようなムーブに魅せられた。
首の動かし方が独特で、少しだけ「ブラックレイン」の松田優作を思い出したのは、
ひょっとして日本でわたしだけかもしれない。
番組中flumpoolが3曲演奏したのだが・・・。
まあ、日本で売れ線の曲に関してどうこう言っても仕方ない現状はある。

「重力ピエロ」で吉高由里子と共演した加瀬亮は、
その演技について「演技か、そうでないか分からないところがスゴイ」という趣旨のことを語っていた。
今回「ぼくらの時代」を観ても、
吉高由里子によき意味での異形性が際立っていた。
「天才」・・やはり彼女にふさわしい言葉だ。

その「重力ピエロ」に推薦文を捧げていた北川景子は、
吉高由里子の演技スタイルに関してどう感じたのだろうか。

「真夏のオリオン」で北川景子はこれまでにない側面を見せた。
限られた出演シーンの中、全体から浮かず、しかし十分に主張しなければならないというテーマの中で、
わたしの目には非常に「プラン」を立てた演技に見えたのだが。
作品中、北川景子と玉木宏の間に直接的なラブシーンなど無きに等しい。
その中で、どれだけ玉木宏に対する「想い」を表現できるか大きなポイントだったはずだ。
表情の中に物語で語られる以上の物語を感じさせねばならない。
そうしたテーマに関して、北川景子の演技プランはある程度成功しているように見えた。
ただ、それは今の段階では「ある程度」に留まっていたとも思う。
彼女の演技プランの中で一番の「見せ場」となるべき「敬礼」のシーン。
「いい」しかし、「やや取ってつけた」ように見えなくもなかった。
難しいシーンに対して健闘はしているが、
これからさらに向上してほしい。

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コメント 4

ton

おはようございます。
相変わらず面白くて楽しめましたよね。
「ぼくらの音楽」での首の動かし方について言及されてましたが、同感です。「うんうん酔い」ですよね。言葉のチョイスにも相変わらずセンスが感じられて笑えてとても面白かったです。天才ですね(笑)

吉高由里子には、とても明るく面白い「道化」の部分と、一方で繊細で暗い「憂い」の部分とがあると常々感じますが、今回もそれを感じました。吉高由里子が演じていないときにいつも感じます。文学的な感じというか、日本的というか。それは「イタリアの歌」の中では演技として披露されていましたが…。

話がそれてしまいましたが、吉高由里子のお父さん、もしかしたらこのルコさんのブログも読んでいらっしゃるかもしれませんね(笑)
あと、北川景子と吉高由里子がまた再びスクリーンで共演することを願ってます。
by ton (2009-07-05 07:02) 

末尾ルコ(アルベール)

>天才ですね(笑)

疑いなく、そうです。(笑)

>とても明るく面白い「道化」の部分と、一方で繊細で暗い「憂い」の部分

これは見事な表現ですね。確かにその通りです。誰でも多面的な要素はありますが、吉高由里子の場合はその振幅が大きく、しかも深い。そこに尽きない魅力があります。「イタリアの歌」・・よかったですね~。吉高由里子に少しでも興味のある人は(ない人でも)、ぜひ観てほしいですね。濃厚な映像の中に、どれだけ吉高由里子がしっくりと溶け込んでいるか。
ああいう作品を観ていると、「トンスラ」は別として、他のテレビドラマの薄っぺらな映像では吉高由里子の美しさをまったく受け止めてないと分かると思いますが。

吉高由里子と北川景子の映画共演・・観たいなあ~。

                          末尾ルコ(アルベール)
by 末尾ルコ(アルベール) (2009-07-05 21:57) 

She's a Rainbow

こんばんは。先週ようやく「真夏のオリオン」を観に行きました。
作品全体の印象としては確かに「甘い」感じがありました。
「艦長が若すぎる」「いや、実際あれくらいの年齢で艦長をやっていた者はいる」・・そういう議論とは別に、玉木宏のツルッとした顔が大写しになるたびに、戦争の只中にいる緊迫感が何か「ほのぼのとした空気」になってしまう、そんな印象でした。もちろん「若い顔」自体が問題なのではなく、演技や演出の問題なんでしょうが、あのツルッとした険しさのない顔は、この映画の「ストーリーの甘さ」を象徴しているような気がしました。

北川景子は、玉木宏とのラブシーンを「映画のメインストーリーから浮きすぎない程度の、しかし重要な彩を加える」というプランで、それを意識的に演じていましたね。どこまで達成できたかという問題はありますが、丁寧に真摯に演じようという意志は伝わってきて、少なくとも好感のもてる演技だったと思います。(好感のもてる演技というのも私は大切だと思うんですが、これはほめ言葉になるんでしょうか?)
今までは個性のある人間を思いっきり役になりきって演じる、ということが多かったように思います。この映画を含めこれからは微妙な感情表現を要求されることが増えて来るのではないかと思いまが、ファンとしてこれからも見守り応援していきたいです。
by She's a Rainbow (2009-07-06 20:58) 

末尾ルコ(アルベール)

何と言うか・・あの潜水艦内の若手俳優たちの説得力の無さは困ったものだと思いました。完成した作品を観てどう思ったのか。潜水艦には乗ってなかったけれど(笑)、北川景子の方がずっと緊迫感を出していましたね。
映画全体としては、ほとんど「童話」のような印象。それなら「童話」として作った方がよかったのではないかと。一部おもしろいシーンもありましたけど。
たあ、北川景子にとっては大きな経験となる作品だったとは思います。
>丁寧に真摯に
これは言いえて妙ですね。
そしてこの作品ほど、しっかりと「プランを立てている」ことがよく分かるものも初めてでした。「プランの立て方」や「プランをどのくらい画面で見せるか」ということもこれからは問題になってくるでしょう。
いずれにせよ、「真夏のオリオン」もいいけれど、年に一本は作家性の高い作品に出てほしいなと思います。
「ブザー・ビート」ももうすぐですね。ストーリーがつらい場合は、北川景子の「美しさ」を堪能しましょう!(笑)

                            末尾ルコ(アルベール)
by 末尾ルコ(アルベール) (2009-07-06 23:10) 

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