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「犬を連れた奥さん」チェーホフ著 小笠原豊樹訳 新潮社 [ルコ的読書]

短い小説だし、要するに「不倫」の話。
ストーリー自体は美しくもなんともない。
主人公の男も身勝手そのものと言える。
しかしどれだけこの短い小説の中に「真実」があるだろう。
そして随所で日本刀のように鋭く光る思考と文章の渾然とした美。
何回かに渡って、宝石のような美しく強い文章を紹介していく。

木々の葉はそよともせず、蝉が啼き、下の方から聞こえてくる単調で鈍い海のざわめきは、人を待ちうけている安らぎを、永遠の眠りを語っていた。

                   「犬を連れた奥さん」チェーホフ著 小笠原豊樹訳

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コメント 2

ゆか

美しく強い文章に出会えるというのは中々ありません。
そういったものに出会える本というのはいいですね。
でも内容に惹かれません^^;
by ゆか (2009-11-11 13:07) 

末尾ルコ(アルベール)

ゆか様

あ、でも、やはり「クラシック」とされる本には素晴らしい言葉が出てきますよ。

>でも内容に惹かれません^^;

なるほどです。ただ、優秀な文学は「読まれる時期」を待っているというところがあります。「惹かれる」ときが訪れるかもですよ(^_-)-☆

                                 ルコ
by 末尾ルコ(アルベール) (2009-11-11 16:42) 

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