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小説 感じのいい行員 その弐 [生と死のためのアート]

気が付いたら4月。感じのいい行員を見たのは3月。いつの間に1カ月も経っていたのだ。
「四月だもの、3月よりもいい光が入って来ますね」ぼくはそう言った。「お客様、今〈四〉は漢字で、〈3〉はアラビア数字で言いましたね」案外なことを言いだす行員だ。地方銀行とは言えけっこう偏差値の高い大学を出ていそうだな。でも偏差値なんて超感覚とは何の関係もないはずさ。ぼくは超感覚を身に着けるために長年修業を積んで来た。「君、行員さん、ぼくの口にした言葉がどんな文字か分かるのかい。なかなかのものだね。ぼくと超感覚合戦でもどうだい」すると行員、「あら、新手のナンパってやつですの?」などと言う。そうしてぼくたちは陽光に満ちた某銀行の中でハーモニーを奏で始めたんだ。「男と女は持ちつ持たれつほいほほい。しなだりかかられ、こりゃ不思議。カリマンタンは海の上♪」


タグ:小説 アート
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コメント 4

ねこじたん

数の漢字とアラビア数字わりと気にしてます♪
by ねこじたん (2011-04-07 08:46) 

cjlewis

ははは、こんな行員さんいたら、楽しいなあ。
by cjlewis (2011-04-07 10:17) 

末尾ルコ(アルベール)

ねこじたん様

けっこう違いますよね~(笑)

                    RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2011-04-07 11:45) 

末尾ルコ(アルベール)

cjlewis様

いませんけどね・・笑

                  RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2011-04-07 11:49) 

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