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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「文学であなたの人生をより強く美しくする」講座~必読書 大岡昇平「野火」の十字架に何を感じる?2016年8月10日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「文学であなたの人生をより強く美しくする」講座~必読書 大岡昇平「野火」の十字架に何を感じる?

大岡昇平の「野火」といえば、泣く子も黙る戦後文学の金字塔。
読んだこと、ありますか?
三島由紀夫の「金閣寺」と並び、それこそ「戦後最高の小説である」と考える人も多くいます。
でも長い小説じゃない。
文庫本としてもとても薄い部類に入る。
ただ「どんどん読み進める」類いの小説でもない。
じっくりじっくり味わうべき作品です。
主人公が「遺体の肉を食すか否か」というあまりに重い精神状態が描かれていることで高名な「野火」ですが、作品中印象的に登場するのが十字架です。
スペイン、そして米国の領土となったフィリピンはキリスト教が深く入り込んだ国であり、「野火」の主人公は教会の十字架を何度も見るわけです。
小説中における十字架の意味・・・といった追求はここではさて置いて、十字架というものの形態のパワーと言いますか、実はわたしは十字架が大好きなのですが、そこに注目したいのです。
キリスト教云々を抜きにしても、例えば極限状態に置かれた人間が十字架を見た時何を感じるか。
そこに何か「救われる」ような力を感じることは多いのではないか。
あなたはどうお感じになりますか?
十字架に限らず「事物の形態」が人間の心に及ぼす影響はとても大きい。
そんな目で周囲の様々を見ると、世界はまたグッと変わって見えてきます。

で、もちろん「日本人なら必読書」

「野火」大岡昇平
「金閣寺」三島由紀夫

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