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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「真の言葉のレッスン」+「映画であなたの人生をより強く美しくする」講座~「ヤバい」論と「凶悪」について。2017年1月28日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「真の言葉のレッスン」+「映画であなたの人生をより強く美しくする」講座~「ヤバい」論と「凶悪」について。

「ヤバい」。

考えてみればこの言葉も日常的に食べ物とか要するに何でもかんでも「ちょっとばかしいいと思ったこと」に使われるようになってから、ぜんぜん「ヤバく」なくなりました。

「ヤバい」も可哀想に。

わたしは基本的に近年使われている「ヤバい」の意味で「ヤバい」を使うことはありません。
従来通りの「危険な」という意味です。

「危険」と聞いて、あるいは読んで、どんな印象を受けますか?
人間できれば「危険回避」を志したい。
当然の心理です。
でも「危険ゼロの世界」、それはきっととても退屈な世界です。

ここで「生と死」の問題に言及し始めるとこの後延々と続くことになりますが、人間はどうしても「危険に惹かれる」、「危険から何かを得ようとする」・・・そんな傾向はあります。

(とは言え、現実生活においては当然ながら、「危険は最小限に抑える」が原則です)

その意味で、「ヤバい」という言葉が「美味しい」とか「カッコいい」とかの意味で軽薄に使われる現在は、以前からずっと続いている日本社会の「悪しき無味無臭化」をより強める一因になっていると、わたしはそう感じているわけです。

日本アカデミー賞壇上で「ヤバい」新井浩文がいてとてもおもしろかったんですが、本来「ヤバい」新井浩文もテレビドラマではぜんぜんヤバくない。
淀川長治が口癖のように言っていた、「怖いですねえ」というフレーズは、「ホラー映画が怖い」の意味ではなく、「ヤバい要素のある」つまり「危険な要素のある」映画のことを言ってたわけですね。

で、近年の日本映画で非常に「ヤバい」作品としてお薦めが、

「凶悪」。

これはめちゃめちゃヤバくって、止まらないほどおもしろい日本映画です。

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