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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強く美しくする」講座~あなたはSMマインド?熟れ切った魅惑ロマン・ポランスキー「毛皮のヴィーナス」。2017年2月12日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強く美しくする」講座~あなたはSMマインド?熟れ切った魅惑ロマン・ポランスキー「毛皮のヴィーナス」。

ロマン・ポランスキーと言えば、並み居る現役の映画監督の中でもマスター中のマスター。
そのスキャンダラスな私生活ももはや神話的な域に入っています。

ついでに書いておきますと、一流の芸術家がスキャンダラスであることを褒める必要はないけれど、スキャンダラスだからといって創造された作品の価値が変わることはない。
政治家や、ましてや教育者はそういうわけにはいかない。
この違いは理解しておかねばなりません。

で、ロマン・ポランスキー。
(どうかなあ)という映画も一部あるが、若い頃から非常に高い確率で「エキサイティング」な作品を創り続けている。

わたしが特に好きなポランスキー作品は、

「反撥」
「ローズマリーの赤ちゃん」
「チャイナタウン」
「テナント 恐怖を借りた男」
「テス」
「フランティック」
「戦場のピアニスト」
「おとなのけんか」

そして最新作の、

「毛皮のヴィーナス」

です。

「毛皮のヴィーナス」は言わずと知れたザッヘル・マゾッホの「毛皮を着たヴィーナス」を下敷きとした映画です。

これも知っている方には言わずもがなですが、いわゆる「SM」の「S(サド)」はマルキ・ド・サドから、「M(マゾ)」はザッヘル・マゾッホから来ているわけです。
もちろんサドやマゾが作品を発表するよりもずっと以前から人間の性的嗜好として「SM嗜好」は存在していたのだけれど、マルキ・ド・サドとザッヘル・マゾッホの作品が社会に与えたインパクトがお菊、いや大きく、文学作品としても極めて高い質を持っていたことから「SM」という呼称が定着したとされています。

ポランスキーの「毛皮のヴィーナス」はマゾッホの小説をそのまま映画化したものではなく、

「原作を戯曲化した舞台監督とオーディションにやって来た女優との対話」

という形式を取っています。

映画のシーンはほとんど「ある劇場のある場所」だけで、出演俳優は舞台監督役のマチュー・アマルリックと女優役のエマニュエル・セニエのみ。
しかし研ぎ澄まされたポランスキーの演出は90分以上の時間、一秒も退屈をさせない。

映画マスター中のマスターならではの素晴らしい作品です。

●原稿依頼などは、気軽にサイドバーのアドレスへご連絡を!

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コメント 1

TBM

ポランスキーの「毛皮のヴィーナス」、
とても気になっていたのですが、
上映期間にタイミングが合わず、観ていないのです。
残念...
by TBM (2017-02-12 21:34) 

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