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●「強く、美しい」という説得力抜群のルー・テーズVSバディ・ロジャース、はたまたロジャースのバレエダンサーのような美しさ。 [「言葉」による革命]

●「強く、美しい」という説得力抜群のルー・テーズVSバディ・ロジャース、はたまたロジャースのバレエダンサーのような美しさ。

末尾ルコ「プロレスの話題で知性と感性を鍛えるレッスン」

YouTubeで「Chicago International Amphitheatre.Lou Thesz vs. Buddy Rogers」を観戦したわけですが、「これぞ、プロレス!」という賞賛に相応しい内容だ。
まず驚かされるのは、二人とも「美しい」のである。
バディ・ロジャースは中型の体格ながら、均整がとれている。
トレードマークのブロンドはもちろんのこと、顔立ちも完璧な美形で、まるでロシアの男性バレエダンサーのようだ。
ジョージ・バランシンが振り付けた、『ミューズを率いるアポロ』(あるいは『アポロ』)というバレエがあるが、この「アポロ」役にぴったりである。
これは確かに「スター」だ。
対するルー・テーズも別のテイストで美しい。
高い位置にある腰と長い脚、そして「男」そのものの容貌と「王者」の風格。
なるほど、見た目も「不世出の最も偉大なプロレスラー」そのものだ。
動きは力強く、しかも軽い。
「昔のプロレス」だけに、派手な技はほとんど使われない。
ヘッドロックや基本的な投げ技などを中心に試合は組み立てられていく。
それなのに見惚れてしまう。
ルー・テーズの場合、その「強さ」はもちろんのこと、「プロとしての在り方」など、すべてが完璧に揃っており、「史上最高のプロレスラー」だとほぼ誰もが評価しているが、バディ・ロジャースはプロレスファンの間で有名な「カール・ゴッチとの一件」などによって、「強さ」に関しては評価が不明な点が多いけれど、「プロレスラーである」という意義においては、なるほど「不世出のレスラーの一人」に間違いない。
その後かなりの年月を経て、リック・フレアーがバディ・ロジャースの後継者たらんと志したけれど、少なくともその「美しさ」という点においては、足元にも及んでないと見る。

バディ・ロジャースは「プロレスラーの中では美しい」というレベルではなく、あらゆるジャンルを俯瞰しても、「稀な美しさ」だと言えるのだ。

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いっぷく

NWAの挑戦を受けないからロジャースが襲われた、というのが通説ですね。
バディ・ロジャースを襲ったのが、ビル・ミラーとカール・ゴッチというのは運が悪かったというか、面倒な人に目をつけられましたね。
ロジャースに好まれて挑戦者として何度も抜擢してもらい、後に無効とされたものの1度はNWAのベルトを巻いた馬場正平にも、「お前がいなけりゃ、俺達がNWAに挑戦できたんだ」とばかりに、とばっちりがきそうなものでしたが、馬場はその日の控室にいたにも関わらず、彼らに狙われなかったのが興味深いところです。
ビル・ミラーは新人の頃の馬場と試合をして(たぶん第3回ワールドリーグ)、馬場を見どころがあると認めたそうなので、決して自分以外のレスラーの価値のわからない男ではないと思うのです。
たぶん、プロレスの試合の組み立てで、ロジャースが自分だけを売ろうとしたか、あまりにもパフォーマーとして輝いていたために嫉妬があったか、どちらかなんでしょうね。
「1964年のジャイアント馬場」には、なぜロジャースが客を集められるようになったか、アメリカ人の価値観とロジャースのプロレスについて分析していますが、それにしても、プロレス史に残るような出来事の遠因となった馬場正平の存在感もあらためて認識できる事件です。馬場にとってはそれが誇りであり、その馬場が終生、理想のレスラーとしてバディ・ロジャースを挙げていたというのもよくわかります。
ルーテーズは、シューターとしての力をもちながら、ビジネスとしてのプロレスもできるという点で、理想のレスラーなんでしょうね。来日したときはテレビにも出ていましたし、プロレスファンと言うほどではない人々でも名前ぐらいは知っているのではないでしょうか。でも「でき」すぎて、自分が過去に取ったチャンピオンの称号やベルトを切り売りしたり、雇ってくれた団体に都合のいいことを述べたのはいいけどそれが以前の発言と矛盾していたりと、ちょっと困ったところもありましたね。

by いっぷく (2017-05-11 08:02) 

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