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●歌はもちろん、その表情、所作のすべてが「高度な作品」と化した坂本冬美の凄み。 [「言葉」による革命]

●歌はもちろん、その表情、所作のすべてが「高度な作品」と化した坂本冬美の凄み。

末尾ルコ「音楽の話題で知性と感性を鍛えるレッスン」

坂本冬美の人生に「様々な出来事」があったことはそのプロフィールを読むよりも、その歌う姿を観れば手に取るように分かる。
爪先から頭まで貫き漂うその雰囲気、そして何よりも表情。
心の芯から表情の毛細血管の端々にまで伝わってくる坂本冬美の「人生」そのものがわたしたちに訴えかけてくる。
坂本冬美も50歳を超えたが、現在のどんな年代のどの歌手を見ても、坂本冬美ほど「伝わる」表情や雰囲気の歌い手は見当たらない。
また、目を瞠るのが、和服姿の坂本冬美の完璧なまでに洗練された身のこなしだ。
坂本冬美のポージング、ステージングは、これまた現在の歌手たちの中に伍する人はいないように思われる。
あるいは日本歌謡史上最高峰かもしれない。
イントロが流れ始める前から、歌と演奏が終わり、観客に礼をするまでの時間、流れるように、一分の隙もない動きが優雅に展開する。
ほとんどのポーズがあたかも一枚の浮世絵であるかのようなクオリティなのだ。
その指先まで、その踵まで、計算され尽くし、しかも自然に、優雅な動きが連続する。
もちろん歌唱は、年々成熟の度合いと情熱を深め、デビュー曲である『あばれ太鼓』も、デビュー当時の歌とはまったく異なるレベルへと持ち上げている。

思えばずっと演歌を忌避していたわたしも、早い段階で忌野清志郎や細野晴臣とコラボしていた坂本冬美は「別格」だと注目し続けていた。
正に現在、「日本人が誇るべき歌手、表現者」の一人である。


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いっぷく

公式サイト見ましたが、さすがに大物だけあって、サイトの作り方が洗練されていますね。
サイトの重要性を理解して、きちんとした外注、もしくは専従のスタッフをつけているのでしょう。
ブログというか、近況報告の更新も、公式サイトで行われています。
坂本冬美ぐらいになると、アメブロを頼る必要もないので、これも妥当だと思います。
公式サイトは、「坂本冬美」で検索すると第1位に出てくるのですが、これは当たり前のようでいて、実は意外とむずかしいのです。
アンチが嫌がらせから、検索順位1位を奪ってしまうとか、逆に熱烈なファンが、自分の作ったサイトやブログを「坂本冬美」で1位をとりたいとか、そうした動機から、検索エンジンに、坂本冬美について詳しいサイトであると思わせるテクニックを使って、上位をとられてしまっていることが少なくないのです。
でも1位でないと、このインターネット当たり前の時代に、サイト作りに不熱心であると思われ、マイナスイメージにつながります。でもそれもないようですね。
ブログではなく、サイトなのに364ページもインデックスされているということは、相当大量の情報を発信しているんでしょうね。それが検索順位第1位を確保できる理由だと思います。
演歌については、歌そのものがどうというより、演歌を歌う人というのは、とても私などは太刀打ちできないすさまじい生き様だろうと思い、のめりこんでも疲れそうだと気後れして敬遠していたところがありますね。
石川さゆりなどは、娘もいたのに元マネージャ―と離婚し、パトロンに走って挙句に10億円の借金をこさえてしまいました。デビューの頃のアイドルとしての彼女に熱中したら、やっぱりがっかりすると思います。ただ、人間の生き様を表現する時に、そういうスキャンダルというのは意味のある経験であり、その意味でナイーブな(笑)私も今なら、演歌歌手の生き様を正視できるかなという気もします。
by いっぷく (2017-06-18 01:36) 

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