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●今も怖いのか?笑ってしまうのか??つのだじろう『恐怖新聞』『亡霊学級』、あるいはハマープロ『ドラキュラ』、はたまた『大魔神』。 [「言葉」による革命]

●今も怖いのか?笑ってしまうのか??つのだじろう『恐怖新聞』『亡霊学級』、あるいはハマープロ『ドラキュラ』、はたまた『大魔神』。

末尾ルコ「映画と漫画の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

そう言えば(?)、コックリさんなどを少年少女に浸透させたのはつのだじろうだと言って差し支えないだろう。
つのだじろうの怪奇漫画・・・子どもの頃はメタメタ怖かった。
『恐怖新聞』『うしろの百太郎』、そして『亡霊学級』・・・どれもこれも怖くてビビりまくりだったが、特に『亡霊学級』は怖過ぎてこのコミックが家の中にあることに耐え切れず(笑)、隣の家に投げ込んで捨てたという素敵な思い出がある(笑)。
つのだじろうの怪奇漫画の怖さはやはりあの「画」にあったのだと思う。
特につのだじろうが描くあの女性の顔。
「つり目」そして「八の字に下がった眉」、そして何と言うのだろう、「湿っぽい日本人の怨念世界をそのままに現出させたかのような表情と雰囲気」・・・同じことをつのだじろう以外の画で描いてもあれほどは怖くならなかったに違いない。

とは言え、今読んだらどうなのだろう。
最近つのだじろうの『空手バカ一代』を少しだけ読んだけれど、怪奇系漫画はずっと読んでいない。
わざわざ今、『亡霊学級』を読むような酔狂はちょっとあまりと言えばあまりなので(笑)、やらないとは思うけれど、あの、子どもの頃には正視さえできなかったおどろおどろしい感覚にどれだけなるだろうという興味はある。

「怖い」と言えば、子どもの頃、平日の午後の時間などにテレビで『ドラキュラ』物の映画を放送していた。
多くがハマープロでクリストファー・リー主演の『ドラキュラ』だったのだと思うけれど、あれも怖かった。
ある程度の年齢になったから思い出し、(あんなの今観たら笑っちゃうだろうなあ)と確信していたのだが、実は数年前に『ドラキュラ』シリーズの一本を観たら、確かに「笑っちゃう要素」は多々あったけれど、案外怖いシーンもあった。
チープでポップなハマープロの『ドラキュラ』がなぜいまだに「怖い」要素を持っているかを考えてみるに、一つは「生の人間が作る表情や形態の生々しい不気味さ」ではなかったかと。
やはりそういうのは特撮では味わえないのではないか。
そしてチープで毒々しい照明がこれまた独特の禍々しさを醸し出している。
そこに「生の人間が作る表情や形態の生々しい不気味さ」が加わって、大人のわたしでも「怖い」と感じさせる映画としていまだに成立しているのではないか。
逆に、子どもの頃めちゃめちゃ怖かったが、最近鑑賞してイマイチと感じた映画として、『大魔神』がある。
いや、よくできた作品だとの思いは変わらないけれど、「怖い」とは感じなかった。
このあたりは、『ドラキュラ』は「大人向け」に作られており、『大魔神』は「子供を視野」に入れている、その違いもあるのだろう。

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いっぷく

剛力彩芽を見たとき、私はつのだじろうの世界は本当にあったとびっくりしました。
ドラえもんはいないという不在証明はできないといいますが、たしかにこの世の中、何が出てくるかわからないなあと思いました。
『恐怖新聞』だったかで、たしかご飯がたけて、蓋を開けたらゴキブリがたくさん入ったゴキブリまぜご飯になっていたというシーンが印象に残っています。あと、デブの女生徒を「焼豚」と呼んでいるコマが面白くて、さすがに女生徒にはいいませんでしたが、高校で気に食わないデブ男に、何かのやり取りの中で捨て台詞でそう言った記憶があります。

>隣の家に投げ込んで捨てたという素敵な思い出がある(笑)。

そういう経験はあります。昔、小学館の学年誌の付録で、森の壁姫という漫画が別冊になっていて、壁の中の姫があまりにも怖く描かれていて、引っ越しをするとき、わざと押入れに置いていったのに、父親が見つけて、大事なものを忘れるなとか言って引越し先まで運んでしまったので大いに困りました。

あとは楳図かずおの「ミイラ先生」。少女フレンドに連載されていた頃は知らなかったのですが、後に単行本になってから購入しました。これは怖かった。
教会の地下に安置されていたミイラが雨漏りから水分を調達してよみがえり、ミッションスクールの美しい葉山先生に扮装し、生徒たちに襲い掛かるのですが、では葉山先生はどこにいったのかというと、安置されていたミイラによって、代わりにミイラにされてしまうのです。生徒や同僚の先生たちでミイラを退治して、地下の棺を開けると、葉山先生のミイラが……。そこは少女漫画で、葉山先生は結局回復することになっています(笑)
でもラストでは、とくに少女漫画の場合、不自然でもそういうハッピーなラストが大事なんですね。もし葉山先生がミイラになりました、で物語が終わったら、救いがなさすぎですから。爽やかな読後感を抱けるように、救いのあるラストはいいと思います。
私はそれ以来、キリスト教系の中学や高校というと、「ミイラ先生」を思い出してしまう癖がついてしまいました。でも怖いもの見たさで、職員として就職できないかななんて妄想も少ししたりして。これで自信をつけた楳図かずおは、漂流教室で原状回復できず死者もバンバン出す作品にエスカレートしたのですね。

私は、メークとか特撮とか一切なしの「怖い」と思った俳優に、菅貫太郎がいます。
「炎の記憶」という浅茅陽子がヒロインのドラマがあり、彼女は火事のショックで幼い頃から言葉が話せないのですが、山内明が刑事で、犯人の菅貫太郎の娘を代わりに育てていたのですが、菅貫太郎は自分の娘は死んだと誤解し、なのに自分をパクった山内明は娘と幸せにしていると恨んで、娘を殺そうとするのですが、実は自分の娘だったとわかって反省して火事の中に飛び込み、浅茅陽子はそこで悲鳴を上げてまた話せるようになったというストーリーです。
何が怖いかと言うと、出所して山内明が菅貫太郎と食事をするのですが、そのときの山内明を見る目が冷淡で、人間の目に見えなかったので、これはすごい俳優だなと思いました。
by いっぷく (2018-03-20 02:57) 

hana2018

大人向けに作られた「ドラキュラ」と言えば、ゲーリー・オールドマン主演作のセクシー・ドラキュラ。
監督フランシス・フォード・コッポラがドラキュラに続いて製作したホラー二作目は、異形の主人公の孤独を描いた・・・ご存知ロバート・デ・ニーロの「フランケンシュタイン」でしたね。
ロバート・デ・ニーロ作品で、すでにご覧になられているかとは思うものの、「昼下がり、ローマの恋」←なんと安易でチープなタイトル。
昨日期待もなく観たものの、意外に楽しめた作品でした。
お爺ちゃんデニーロは心臓移植手術を受けた事で妻とも上手くいかなくなり、ローマに移住して一人静かに余生をおくる。そこに現れるのが、美女の誉れ高いあのモニカ・ベルッチ。
セクシーなモニカ・ベルッチとの恋模様は明るく楽しく、デニーロの顔に刻まれた皺も魅力的に感じられました。
モニカ・ベルッチも惜しげなく美しい胸を披露していますし・・・予期せぬラストシーンもホッコリと温かな気持ちになれた一本でした。
あ、これってオムニバス映画の中の最後の作品です。
by hana2018 (2018-03-20 14:19) 

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