●我が母の闘病記、心臓バイパス手術から１４日目、突然の嘔吐、そして翌日の姿。

●我が母の闘病記、心臓バイパス手術から１４日目、突然の嘔吐、そして翌日の姿。

末尾ルコ「母の話」

４月１日（月）手術後１４日目

午後１時の面会。

母の病室へ向かっていると、ここへ来てようやく何人かの看護士と見知りになってたのだが、その中の一人が「あ、お母さんは今、トイレです」と。
そうなのだ、トイレが自力でできるようになるか否かも、リハビリの大きな目標だが、今のところまだのようである。


午後７時の面会。

午後１時面会時とまったく様子が違う。
声も弱弱しいし、表情も虚ろだ。
（一体どうしたんだろう。リハビリなどの疲れが出ているのだろうか・・・）
いろいろ話しかけてもなかなか乗ってこないし、呼吸も明らかに荒い。
（大丈夫だろうか。何か悪い状況になってないないのか）
不安に苛まれていると、母の表情が苦痛に歪んだ。
「うっ、うっ」
（まずい！）
ナースコールを押すと同時くらいだったか、母は一気に嘔吐を始めた。
二度、三度と吐瀉を繰り返す。
（一体どうしたのだろう・・・）
もちろん悪い想像しか浮かばない。
（ここへ来て急変したのか？順調に働いているようだったバイパスは、結局母の体を救うまでに至ってなかったのか？今夜、大事が起こってしまっているのか？）
数人の看護士たちが吐瀉物と汚れ物の始末、着替えなどをしているのを、わたしは廊下から窺うしかなかった。
履くだけ吐いて、着替えなどを済ませた後に本人と話をしたら、嘔吐前よりも遥かにすっきりした表情、そして放し方だった。
「先生（主治医）には連絡しましたが、むせ込んだりしたわけでもないし、お腹の音も出ているので、取り合えず様子を見ているようにとのことです」と、ある看護士。

一体なぜ、急に嘔吐したのか。
一過性のものならいいが、今後の治療方針を変更せねばならないような原因であれば厄介だ。
担当の看護士の一人は、「夕食にニンニクの臭いがきついものがあって、残す人が多かったんですが、ひょっとしたらそれが原因かもしれません」と。
嘔吐後は気分のすっきりした様子を取り戻したので少しは安心して家路についたが、帰ってから様々な想像がわたしを苦しめる。
また嘔吐してはいないだろうか、それどころか突然心不全を起こしてはいないだろうか、意識不明になっていたりはしないだろうか・・・。

４月２日（火）手術後１５日目

午後１１時の面会。

母の嘔吐を目の当たりにし、わたしは満足に睡眠を取ることもできなくて、面会の開始最速時間である１１時に病院へ。
前夜から朝までに病院からの連絡はなかったので、「急変」や「ICUへ逆戻り」は起こってないとは思うけれど、いつもに増して緊迫している。
急ぎ足で病室へ。
中を覗くと、母は何食わぬ顔でデスクへ向かい、眼鏡をかけて短歌同人誌を読んでいる。
この朝、食事もリハビリも済ませたのだという。
前夜の激しい、かなりショッキングな症状はいったい・・・。

タグ：アート

コメント 7

ちょっと心配ですねぇ
病院でニンニクの臭いがキツイってどうなんだろう

by (。・_・。)２ｋ (2019-04-04 02:25) 

>夕食にニンニクの臭いがきつい

病院食は味もニオイも薄いものですが、めずらしいですね。まあ「きつい」といっても、東南アジア料理の店で出てくるようなものではないと思いますが。
私の母は食べ物を何も受け付けない日々で嘔吐したことがありました。いまだに理由はわからないですが、わからないときはいくら考えてもキリがないので、体がなにかに反応しているのは悪いことではない、ということにしておきました。
私の母の場合は、点滴から3回も感染するという、そしたそのうち1回は抗生剤が合わなくて肝臓と腎臓がやられてしまうという、普通だったらありえないことが続き、私はHIVすら疑いました。
が、真相は、食べないで腸管免疫が働かなくなると、普通なら問題にならないわずかな菌にも感染してしまうそうです。
その意味では、食べられれば全身状態はその時悪くても回復の方向に進んでいるということでいすから、食欲があるかどうかがその人の状態を見る上では大切なことでしょうね。

私の母は最初の大病時には抗がん剤を8クールやって、最初のクールで白血球が100まで下がり無菌室行きでせん妄も出ました。その下がった時に、わずかな菌でも入り込んだらもうどうにもなりません。その危機を8回繰り返してきましたから、治療というのは、すればよくなるんだ、というのはありますが、その一方でリスクもあると腹を決めてかからないといけないなとおもいました。
by いっぷく (2019-04-04 05:17) 

病院の食事はカロリー計算とかしっかりやってて
残したらマズイんじゃ？
残したくなるような食事が出てくる病院、
大丈夫？＾＾；
by ぽちの輔 (2019-04-04 06:38) 

中々、安心できるまでにはいたりませんねぇ。
心労、お察しします。

by wildboar (2019-04-04 07:31) 

病院食で患者が残すほど香りがキツイ料理が出るなんて(°_°)
普段であれば嘔吐くらいそこまで気にしないけど
手術跡の入院中だと不安になりますよねぇ(´･_･`)
翌日、デスクに向かってらした姿を見た時には
安心すると掃除にちょっと気が抜けちゃいますね(⌒-⌒; )
でも、一過性の嘔吐だったみたいで本当に良かったです( ^ω^ )
by ニッキー (2019-04-04 08:13) 

病院の食事にニンニクを使うって、外科病棟とかならいざ知らず。いったいどうなっているのでしょうか。
ご本人にしたら、胸のムカムカ、言葉に出来ない不快感でいっぱいでいらしたのでしょう。
そんな時に息子さんの顔を見て、安心感から吐かれてしまったというのは考えられます。もっと遅い時刻、深夜とかでなくてまだ良かったです。
ここ十数年の間に、昨年の突然の入院を入れたら、私自身五か所ほどの入院生活の経験がありましたけれど。
病人食と言うものは、本当にどこも美味しいとは程遠い内容でして・・・それでも、患者の側に立った内容であればまだ許せる。
これで、このメニューで、本当に管理栄養士がいるのだろうかと思える。営利主義一辺倒なところが多く感じられました。
by hana2019 (2019-04-04 15:18) 

これは　献立作った方が悪いんでしょ。
味も臭いも病人に優しくなきゃね
心配したね。

by ゆうみ (2019-04-04 22:20)