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デヴィッド・フィンチャーの黒いジョーク映画「ソーシャル・ネットワーク」  [生と死のためのアート]

「パニック・ルーム」のようにイマイチの作品もあるけれど、「セブン」の衝撃的なオープニングクレジットをクリエイトした時点からデヴィッド・フィンチャーの新作はやはり心躍る。
「セブン」のオープニング。ナイン・インチ・ネイルズの狂ったサウンドとブレる文字。狂気と恐怖が超満員の劇場を包み込む。あのような映画体験は滅多にできるものではないし、映画館でなければ十全に理解することもできない。
デヴィッド・フィンチャーの「ソーシャル・ネットワーク」は、昨年多数のオスカーにノミネートされながら、「英国王のスピーチ」ノリにしてやられたとは言え、その完璧に構築されたクールな映画世界の価値はいささかも損なわれるものではない。
まるで一人だけ異星人が混じっているかのようなマーク・ザッカ―バーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)が普通に行う言動自体にたっぷりと黒いジョークが含まれており笑わずにはいられない。
映画中のザッカ―バーグにはどうやら「裏切り」という概念もないようで、もし彼のような人間が人類の主流を占めるようになれば恐ろしいな、という一種の恐怖映画でもある。

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