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「カキさん!」と呼ぶその手練れた声と来たら・・・  [小説・孤独なカキの物語]

カキはカフェでミルクを飲みながら「マリ・クレール」を眺めていた。
「カキさん!」
突然の声。
(もう誰よ?!せっかくの「マリ・クレール」タイムを…)などと心で呟きながらも、実はカキは知っていた、誰が声をかけて来たのか?
「カキさん!」
(つ~ん・・・)と、カキは敢えて知らんぷりを決め込もうとする。
声をかけた者はそんなカキの駆け引きも御見通しのようだ。
「あらあらカキさん、いつもの知らぬ顔の半兵衛さんね。けれどそうは問屋が卸さない」
などと言いながら、後ろからカキに目隠しだ。
「何すんのよ!」
「目隠しすんのよ!」
などとカキの物真似もお手のもの。

タグ:アート カキ
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