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〈「言葉」による革命〉・・・末尾ルコ「プチ芸術文化論」~「妖かし」、そして泉鏡花、渋澤龍彦、夢野久作から、エリザベス・オルセン「サイレント・ヒル」まで。2015年4月1日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「プチ芸術文化論」~「妖かし」、そして泉鏡花、渋澤龍彦、夢野久作から、エリザベス・オルセン「サイレント・ヒル」まで。

「あやかし」
「妖」
「妖かし」・・・・。
この言葉が好きなんです。
「あやかし」
「妖」
「妖かし」・・・・。

夢とも現ともつかないような境地。
現実かと思いきや、現実ではありえない存在を感じる、目にしてしまう感覚。
そもそも「現実」とは何か?「非現実」とは何か?
そんな根源的な疑問が生じるような感覚。
わたしたちが「現実」と呼んでいる存在や状況は、実は極めて脆いものであると再認識させられる感覚。
いや実際、一般的に「現実」と呼ばれているものって本当に脆いんです。
その意味で「いわゆる現実主義」というものは余程深く思考したものでなければまるっきりの「非現実主義だった」という可能性もあるのです。
というようなことを踏まえても踏まえずとも、「妖かし」の文学や映画は、それがよくできていればとても魅力的なもの。
あなたはどんな「妖かし」がお好きですか?
日本で「妖かしの文学」と言えばすぐ念頭に上るのが泉鏡花です。
そう、泉鏡花こそ日本の「妖かし」の最高峰と言えるのではないか。
そして日本人にフランスを中心とした「妖かしの世界」を圧倒的に紹介したのが渋澤龍彦。
その渋澤龍彦が江戸川乱歩作品中でも特に気に入っていたのが「押絵と旅する男」。
読んでます?
乱歩の小説は渋澤龍彦の言を借りれば「書き飛ばしが多い」となりますが、「書き飛ばし」の中にも「妖かし」がしっかり塗り込められていた。
そこは感覚の問題でしょうね。
そして夢野久作も忘れてはならない。
歴史的作品「ドグラ・マグラ」だけでなく、短編も「妖かし」がいっぱいなのです。
などと書いているのは、クリス・ケンティス&ローラ・ラウ監督の映画「サイレント・ハウス」が、それはさほどレベルの高い映画ではないけれど、なかなかいい感じで「妖かし」だったから。
主演のエリザベス・オルセンがぐいぐい作品を引っ張る。
90分足らずという上映時間も実にいい。
映画は「映像」という表現形式を持っており、「妖かし」を創造するにはとても適しているけれど、そう簡単に傑作は生まれない。
さて「妖かし」の歴史的傑作映画と言えば、アルフレッド・ヒッチコック監督の「めまい」!
ご覧になってます?


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