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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強く美しくする」講座~テオ・アンゲロプロス「エレニの帰郷」を鑑賞しながら、あなたは何百回溜め息をつくか?2016年7月8日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強く美しくする」講座~テオ・アンゲロプロス「エレニの帰郷」を鑑賞しながら、あなたは何百回溜め息をつくか?

テオ・アンゲロプロス監督「旅芸人の記録」は日本ではエルマンノ・オルミ監督の「木靴の樹」と同年に公開され、それまでほとんど知られてなかった両監督の両作品は同年断トツの評価を受け、映画ファンのみならず、文化シーンを驚愕させた。
その後「さほど」の映画を創作できてないオルミ監督と比べるわけではないが、アンゲロプロス監督は高い品質の作品を発表し続ける。
「狩人」
「アレクサンダー大王」
「シテール島への船出」
「蜂の旅人」
「霧の中の風景」 
「こうのとり、たちずさんで」
「ユリシーズの瞳」
「永遠と一日」
「エレニの旅」
「エレニの帰郷」

など、入念に計算され尽くした一本一本のクオリティを考えると、とてつもないフィルモグラフィと言うしかないが、「エレニの帰郷」が遺作となってしまったのは映画を愛する者、芸術を愛する者にとって痛恨である。
しかも交通事故で亡くなるとは、「エレニの帰郷」の濃密な画面創造を観ていると、今更ながら残念でならない。
「エレニの帰郷」の画創りは観る人のよっては「あざとい」とさえ感じるだろうが、わたしは陶酔しそうなほど大好きだ。
傑作サイレント映画を観ているようなインパクトと含意満載の画を創り出すことで「ソ連~現代」の過酷な歴史は十分過ぎるほど立ち上り、しかも観ることが「快感」にさえなっている。
「快感」無くして「映画」無し!

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