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●今夜、中原中也訳、ランボーの「永遠」を読むことであなたは・・・。 [「言葉」による革命]

●今夜、中原中也訳、ランボーの「永遠」を読むことであなたは・・・。

「ランボーで、あなたの感性を鍛えるレッスン」

今夜はアルチュール・ランボーの、かの高名な詩「永遠」を紹介します。
訳は中原中也で。
今回は特にわたしのコメントなどは付けません。
ただただ、読んでみてください。

・・・・・・

永遠

また見付かつた。
何がだ? 永遠。
去(い)つてしまつた海のことさあ
太陽もろとも去(い)つてしまつた。

見張番の魂よ、
白状しようぜ
空無な夜に就き
燃ゆる日に就き。

人間共の配慮から、
世間共通(ならし)の逆上(のぼせ)から、
おまへはさつさと手を切つて
飛んでゆくべし……

もとより希望があるものか、
願ひの条(すぢ)があるものか
黙つて黙つて勘忍して……
苦痛なんざあ覚悟の前。

繻子の肌した深紅の燠よ、
それそのおまへと燃えてゐれあ
義務(つとめ)はすむといふものだ
やれやれといふ暇もなく。

また見付かつた。
何がだ? 永遠。
去(い)つてしまつた海のことさあ
太陽もろとも去つてしまつた。

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