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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「批判の多いアラブ研究者?しかし池内恵『イスラーム世界の論じ方』がおもしろい」。2016年6月16日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「批判の多いアラブ研究者?しかし池内恵『イスラーム世界の論じ方』がおもしろい」。

「国際情勢で、知性と感性を鍛えるレッスン」

池内恵(いけうちさとし)氏は日本人のアラブ研究者で、1973年生まれだからその世界では「若手」と呼ばれる年齢です。
「アラブ研究者」といっても、例えば「アラブ人のアラブ研究者」、「米国人のアラブ研究者」「フランス人のアラブ研究者」など、「どこ」で「何人が」研究しているかによってかなり色合いが違ってくるのは致し方ないところで、「日本人のアラブ研究者」にも独特の臭いがある場合が多いことは以前から感じていました。
そんな中で池内恵氏の言説は、わたしの感覚では「風通しがいいな」というところがあったので、最近比較的多く読んでいたのですあ、やはり「その世界」ではかなり批判を浴びる存在のようです。
池内氏の著作で『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社)というのがあって、この増補新版が出版されていたので読んでみたけれど、やはりなかなかおもしろい。
池内氏の特徴は、

「決してアラブ寄りというわけではない」

ところです。

わたしはもちろん、アラブやイスラムの専門的議論に物申す立場ではないけれど、多くのアラブあるいはイスラムの日本人専門家たちが、

「イスラムは本来キリスト教より遥かに平和的宗教である」

「現代のイスラムに関わる問題は、欧米に責任がある」

などという前提で、特に「米国が一番悪い」という結論が最初からあるような言説を繰り返すのに対していつも(そんなに単純な話なのか?)と疑問を持っていただけに、池内氏の書き方には納得できる部分が多くあるのだ。


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