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●「気高い」グレートゼブラは、手が届かなければ、タッチをしない!タッグマッチやトリプルスレットマッチ(3Wayマッチ)などについて。 [「言葉」による革命]

●「気高い」グレートゼブラは、手が届かなければ、タッチをしない!タッグマッチやトリプルスレットマッチ(3Wayマッチ)などについて。

末尾ルコ「プロレスの話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

この前、「グレートゼブラ」について書いた。馬場がタイガーマスクの真心に気づき、アフリカ出身の幻の強豪覆面レスラー「グレートゼブラ」と化して登場。
股間も怪しげなシマウマ柄のボディスーツに身を包み、悪の覆面レスラーたちを相手に孤軍奮闘するタイガーを助け、タッグマッチでともに戦う高潔な男ジャイアント馬場。
しかし高潔なだけに、タイガーがピンチになっても正規のタッチが成立しない限り、助けに行こうともしない。
そんなゼブラの態度にタイガーは、「気高い男」と感動する、相手に痛めつけながらも。

とまあ、そのようなシーンがあったのだが、わたしが書きたかったのは、「タッグマッチ」についてである。

わたしがプロレスを観始めた頃、全日本プロレスには「インターナショナル・タッグ王座」というタッグタイトルのブランドがあった。
その後「最強タッグ」など、タッグチームをフィーチャーしたシリーズが大きな人気を博することにもなるのだけれど、どれも観始めた頃に出会った「インターナショナル・タッグ王座」のワクワク感には敵わない。
なぜならば、最強タッグなどが行われた時期はもう、試合のクオリティは非常に高くなっているとは言え、観ているわたしが既に、(こういうのは全日本プロレスの企画でやっているのだ)ということを知っていたわけである。
その点、プロレスを観始めた子ども時代は、インターナショナル・タッグ選手権試合を「世界中の人が注目している」(笑)と信じていたのだから、そりゃあワクワクドキドキしますわ。
土曜の8時になる前に、(この試合に負けると、インタータッグが外国へ持っていかれる~~)と、すっかり出来上がっていたわけだ。

それはさて置き、「タッグマッチ」とはよく考えたものである。
プロレスのシステムの多くは、リングで試合を行うことからも分かるように、ボクシングのシステムを採用しているわけだが、ボクシングにタッグマッチはない。
「殴り合い」という分かりやすい競技であるボクシングに対し、どうしても寝技などが必要なプロレスをできるだけ派手に見せるため、そして1回分の興業ということを考えた時、すべて「1対1」の試合では単調になってしまうという点も含め、「興業を活気づける」タッグマッチを考案したことは、プロレスが長きに渡って生き残っている要因の一つとなっている。

とは言え、トリプルスレットマッチ(3Wayマッチ)やフェイタル4ウェイマッチなどまで行くと、最早わたしには何がおもしろいのかさっぱり分からない。
「勝負幻想」が消失し、プロレスが「肉体スポーツバラエティ」として消費されているのだと解釈できるのかもしれないが、観客の反応を見ていると、けっこう「勝敗」に一喜一憂している人がいるようにも感じるし、そうした人たちは必ずしも「分かった上で」観戦しているとは思えないのだが。

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いっぷく

馬場が助けに行こうともしないというのは、どうやら本当の話で、先日も書いたGスピリッツのジャンボ鶴田特集で、佐藤昭雄が馬場からそう教わったと述べてますね。すぐ助けに行ってしまうのはそのレスラーに失礼であると。
吉村がやられていても馬場が助けに行かないので、私の父は吉村をなじりながら、馬場に対しても怒っていましたが、せっかく吉村がやられて盛り上げているのに、馬場が助けたら台無しになってしまいますもんね。
吉村はそのために、毎晩ナマのレバーを食べて、流血してもいいように頑張っていたらしいですから。
猪木が問題にした「幹部の豪遊」だと思いこんでいた使途不明金は、実は表沙汰にできない「上納金」があることを猪木が知らなかったというのが現在わかっている真相で、「豪遊」の真相は、芳の里の生ピアノ演奏と、吉村道明の生レバーですから、「社用族」として容認できる範囲じゃなかったのかと思いますけどね。

>その点、プロレスを観始めた子ども時代は、インターナショナル・タッグ選手権試合を「世界中の人が注目している」(笑)と信じていたのだから、そりゃあワクワクドキドキしますわ。

インターナショナルという名前がいいですよね。

「タイガーマスク」で、NWAが、ふく面ワールドリーグ戦に優勝したタイガーに覆面世界チャンピオンを認定しようという話になった時 ←優勝したのはタイガー&ゼブラ組なのに……
サム・マソニック会長が、「NWAは、世界チャンピオンと、馬場のインターと、各地区のUSチャンピオンを認定しているが、そこに覆面世界チャンピオンを新たに認定したい」とNWA総会で言っているシーンが有ります。
私はそこを読んで「なるほど、やっぱりインターナショナル選手権はNWAが認定した国際タイトルなんだ」と、我がことのように誇り高く胸を張りたくなったのです。
でも実際は、NWAが認めているのは世界ヘビー、ジュニアヘビー、ライトヘビーの3つだけで、しかもジュニアヘビーとライトヘビーは、特定のプロモーターに任せっきりで、馬場のインターやUS選手権は、各地区の団体タイトルにすぎない、ということは後からわかってくるわけです。
しかも、もともと日本プロレスはライセンス料をケチって、NWAではなくてロスのWWAに加盟していたので、WWAがつぶれるまではNWAとは縁もゆかりもないタイトルだったこともわかってきて、「うー、またしても梶原先生の虚実ないまぜにしてやられたか」と思ったものです。

インタータッグはシングルプレーヤーの「ユニット」、アジアタッグは名「コンビ」用と昔言われましたね。
本来対決してもおかしくない大物選手がチームを組んだらどうかという面白さと、そのコンビならではの試合運びの面白さと、タッグマッチは2通りの楽しみ方があるんでしょうね。
6人タッグは、全日本の場合、3人のうち1人はジュニアヘビーのレスラーが入り、そのレスラーが負け役になるので、試合結果がパターン化してつまらないと三沢光晴は公然と批判して、要するに自分のお気に入りの小川良成が負け役になることを批判して、全日本の最後の方やノアに行ってからは、ジュニアヘビーの小川良成をヘビー級扱いして登用したので試合のクォリティーが下がっただけでなく、ノアはヘビー級が育ちませんでした。
日本プロレスの頃も、3人のうちひとりは星野や山本を入れて、彼らが負け役になることで、ヘビーとジュニアヘビーの役割の違いをはっきりさせていたのに、三沢もつまらないことをシたなと思いました。
三沢も、たしかに四天王プロレスの頃は熱戦を繰り広げていましたが、それによって神格化というか、三沢が何をシても何を言っても許されるような「ノアヲタ」が、ノアをだめにしたようなところもあるんじやないかと思いました。
by いっぷく (2017-10-06 01:54) 

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