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●「女性のスカートを切る」という不届きな番組『スターびっくり箱』と長沢純、あるいは日本人のエロティシズム。 [「言葉」による革命]

●「女性のスカートを切る」という不届きな番組『スターびっくり箱』と長沢純、あるいは日本人のエロティシズム。

末尾ルコ「昭和文化史とエロティシズムの話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

わたしがずいぶんと幼少のみぎり、極めて不届きな番組が放送されていたことを記憶している。
その番組の見せ場が何と、

「女性のスカートを切る」

という行為なのである。

「スカートを切る」、つまり時には切られた女性の下着が視聴者の目に曝されるわけである。
このような行為が許されていいはずがない。
しかもそれをテレビで全国放送するなどあり得ない。
と今では思うところだけれど、いかに幼いわたしであってもどうやらその光景のインパクトは強烈だったようで、そのような番組を何度か目にしたことに疑いはないのだった。
かつてであれば、(こんな番組、あったよなあ・・・)と心で思うのみだっただろうが、現在はネット検索で多くのものが判明する。
「スカートを切る 番組」で検索すれば、出てきた、出てきた、その番組の名は、

『スターびっくり箱』。

日本テレビ系列で放送されていたという。
しかも提供が、「エースコック」。
へえ~、エースコックって、こんな番組を提供してたんだ。

しかし『スターびっくり箱』でなにゆえに「女性のスカートを切る」などという言語道断な所業が行われていたのか?
話は単純である。

スタジオの正面には箱が置かれている。
女性タレントは箱に何が入っているか知らずに手を入れて、触感で中身を当てねばならない。
中身が当たれば賞金が出るが、上手く触れなかったりすると、罰として「スカート切り」となる。
この不埒な番組の司会を務めていたのが長沢純。
そう言えばそんな司会者、いたよなあ。

などと思いながら、ここでもちょっと調べてみると、長沢純はまだまだいろいろ活躍していて、何とブログもやっていて、かなり頻繁に更新している。

さて、「テレビで女性のスカートを切り、時のその下着を曝す」ことを売り物にした番組だが、PTAなどの抗議を受けて、すぐにその企画は打ち切られ、番組自体も半年で打ち切られたという。

さてこの「昭和テレビの一コマ」から何を感じることができるか?
現在の感覚から見て、「テレビで女性のスカート切り」が完全アウトなのは明らかだ。
現在でなくとも、当時であっても、「女性のスカート切り」をゴールデンタイムの売り物にするとは「まともな感覚」とは言い難いだろう。
しかし反面、当時は深夜帯はもちろん、ゴールデンタイムでもけっこう「お色気」を売り物にした番組があり、それらは「かなりの顰蹙」と「多くの支持」を集めていたのも事実なのだ。
もちろん「多くの支持」が男性に偏っていたことは明らかだけれど、こうした現象を単に「昭和の遅れた日本人のやっていたこと」と履いて捨てるのではなく、「日本的エロティシズム」の観点も持ちながら思考してみたい。


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いっぷく

長沢純と真家ひかるが似ているので、子供の頃はジャニーズとスリーファンキースがごっちゃでしたね。
「スターびっくり箱」の長沢純の頃、なんとなく覚えていますが、たぶん、日本テレビの「裏番組をぶっとばせ」の野球拳が当たったからできた企画でしょうね。
でも中身は全く違うんじゃないかと思います。
最近何かの新聞記事で読んだのですが、「裏番組をぶっとばせ」では、細野邦彦Pがコント55号にコントとしてはもう笑えないと限界を示して、野球拳をやらせているのです。何でもストップウォッチで測って、ここでつまらなくなる、という計測までして客観的にダメ出ししたそうです。
ちょうど、「コント55号の世界は笑う」がドリフの「全員集合」に負けて打ち切られた頃ですね。

坂上二郎はもともと歌手崩れで、アベショウジとのコントもウケなくて、コント55号にいきついた人なので、野球拳は割り切ってできたそうですが、コントにこだわった萩本欽一は悩んだそうで、でも例によって、幸運をつかむには遠いところから入れという持論で、自分にとっては嫌いな野球拳で成功すれば、またコントができるようになる日が来ると信じてがんばったそうです。
そうした2人の葛藤や信念があるからこそ、「裏番組をぶっとばせ」の野球拳は面白くなって視聴率がとれたんじゃないかと思います。「スターびっくり箱」には、そういう背景は何もないですよね。
あと、野球拳は、たしか脱いだ服をオークションにかけて、あがりを寄付しているんですよね。
ただスカートをちょん切ってダメにする「スターびっくり箱」とは、その点でも違いますね。
スカート切りでは、女の人を辱めるだけですが、野球拳は公平な勝負でお互い様で、たいていは坂上二郎のほうがすっぽんぽんになっていましたから、そこも違ってましたね。
「裏番組をぶっとばせ」の野球拳も俗悪番組とされていましたが、テレビ史的には大河を視聴率で抜いた番組として名前が残ってます。でもたぶん、「スターびっくり箱」にテレビ史的な意味はなさそうですね。

関根恵子時代の「高校生ブルース」「おさな妻」「成熟」「遊び」など、大映末期はたて続けに彼女の主演作が作られ、その都度未成年なのにヌードになっていて、私は子どもだったので映画館には行きませんでしたが、芸能誌でとりあげられていたので、すごいなあと思っていました。
「朝やけの詩」では、北大路欣也も全部脱いでいて、それがスポーツ紙に載っていたのがまずびっくりして、しかも関根恵子は、裸で水に入るシーンで、撮影が終わると前も隠さずプルンプルン歩いてくるとスポーツ紙に書かれていたので、この人たちは配偶者や恋人の顔が思い浮かばないのだろうか、自分だったら嫌だななどとちょっと憤慨しながらも、裸の載っている写真と、プルンプルンを想像させる記事は捨てずに引き出しにしまっておいたものです(笑)
by いっぷく (2017-10-26 02:44) 

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