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●より美しいのは、オカダカズチカのドロップキックか?「胴締めの鬼」ジョー・ステッカーの「胴締め」か? [「言葉」による革命]

●より美しいのは、オカダカズチカのドロップキックか?「胴締めの鬼」ジョー・ステッカーの「胴締め」か?

末尾ルコ「プロレスの話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

それはさて置き、わたしは、バレエ、テニス、格闘技、そしてプロレスなど、思えば、「人間が肉体を使って表現し、観客に見せる」ジャンルを好む傾向がある続けている。
彼らのどこに魅惑を感じているかと言えば、「美」が出現する可能性が極めて高い芸術であり競技であるからだ。
「人間の肉体によって創造される美」・それはイコール「人間の可能性の拡大と深化」へと繋がるのである。
もちろん「何に美を感じるか」は人それぞれと、人道主義的(笑)民主主義的(笑)にはそう言うべきなのであるけれど、やはり「鑑賞眼のレベル差」というものは存在するのである。

プロレスにおいては、昨今、曲芸的な技で観客を惹きつけようとする傾向が強いのだが、それらは果たして「美しい」のか否か?
例えばおかだかずちのドロップキック。
これは間違いなく美しく、プロレス史上においても最高レベルのドロップキックだと考えて間違いないだろう。
しかし何故かもう一つ魅せられない。

『プロレス入門』的な本で、その中は事実と怪しげな作り話の混淆なのだけれど、初期プロレスの強豪として必ず名が挙げられるのが、

フランク・ゴッチ
スタニスラウス・ズビスコ
ジョージ・ハッケンシュミット
エド・ストラングラー・ルイス
ジョー・ステッカー
ダラ・シン

などであるけれど、ジョー・ステッカーは「胴締めの鬼」と呼ばれていて、ある試合では延々と胴締めを掛け続けたという逸話が紹介される。
『プロレス入門』的な本を読むのは普通子ども時代であるから、その時は(うわあ、すげえなあ)と感じるのであるが、しかし「延々と胴締めをし続ける必要があった」ということは、(その胴締め、威力ないんじゃない?)と今となってはツッコミを入れたくなりもする。
ただ一つ言えるのは、その「胴締め」は当時としてはとても派手な技であって、ステッカーがその技の体勢に入っただけで、大いに観客は沸いたのだろうということ。
そして「胴締め」をするステッカーと「胴締め」をされた相手レスラーのヴィジュアルはきっと美しかったのだろうということだ。

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いっぷく

伝説のレスラーたちについてはよくわかりませんが、技もだんだん進化するものなので、胴締めはその当時なら派手な技だったんでしょうね。
「ジャイアント台風」で、エドワード・カーペンティアのことが描かれたときは興味を持ちましたが、来日したら、相手をコーナーマットまで追い詰めて、その後ロープの最上段に上がってトンボをきるだけでした。そのトンボが、相手に何のダメージも与えず、ただ相手はコーナーマットにもたれかかってトンボが終わるのを待ってるだけなので(笑)、なーんだとがっかりしたのを覚えています。おまけにサンダー杉山に2フォール奪われている完敗だったし。これがルーテーズを破ってNWAの対抗勢力まで作った伝説のレスラーなのかと信じられない気持ちでした。
まあ美しいというより、「すごい」とか「気合入ってる」と感じるものの方に心が動きますね。オカダカズチカがあの体でドロップキックするよりも、キラー・トーア・カマタがドロップキックするほうがすごいと思ってしまいます。「この体で飛び道具か」という驚きですね。キング・イヤウケアが、ロープの2段目に足を引っ掛けてフライングソーセージという「飛び道具」はあまりすごいと思いませんが(笑)
その点、ジャンボ鶴田は、「俺の身体能力からしたら、こんなのちょろいんだよ」と言わんばかりの余裕綽々ドロップキックをやってましたが、鶴田のプロレスは一貫してそういう見せ方をしていて、それが、鶴田への物足りなさにつながっていたのだと思いますが、「やればすごいのに本気を出さない」という見せ方も度を越すと、ただの「プロレスが下手な奴」でしかないと思います。だから、攻撃されているときの「ピクピク」もちっとも評価されないし。
すごいやつが、その力をさらにすごく見せるから観客は感動するのであって、「俺は七分目のちからでやっている」というプロレスで、残りの「三分」に幻想は抱けるのかもしれませんが、だったらその三分もさっさと見せろよ、本当はその「七分」しかできないいんだろうという評価にもつながってしまうと思うのです。
馬場が、「攻撃して終われば、引き分けても客には勝ったような印象を与える」と教えたのを間違って解してしまったような気もしますね。善戦マンが長かったので、そういう形でしか自分を表現できなかったのかもしれませんが。
by いっぷく (2018-03-14 03:26) 

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