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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「映画俳優演技論」~中村文則原作映画『最後の命』、自殺未遂から蘇った柳楽優弥の力。2017年4月8日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「映画俳優演技論」~中村文則原作映画『最後の命』、自殺未遂から蘇った柳楽優弥の力。

・現在日本人俳優の中で、キャストに名前があるとそれだけで観たくなる一人が

柳楽優弥だ。

中村文則原作『最後の命』の映画化作品に柳楽優弥が主演している。
中村文則は野間文芸新人賞、大江健三郎賞、デイビッド・グーディス賞も獲得している作家であり、「ノワール」的世界を表現するに長けた作風は米国でも評価されている。

映画『最後の命』は監督が松本准平で、共演が矢野聖人ら。

映画作品として演出はいささか平板だけれど、訳110分間飽きることなく引っ張られるのは柳楽優弥の説得力によるところ大だ。

ご存知のように、柳楽優弥は一度自殺を試みている。
その動機について、あまりに幼い時期にカンヌ国際映画祭男優賞というあまりに大きな賞を獲得し、その後しばらくの俳優人生とのギャップなどが取り沙汰されたけれど、本人にとっては他人には計り知れない複雑な心理状態があったのだろう。
俳優の演技とその私生活を単純に結び付けるわけにはいかないが、例えばマリリン・モンローの伝説的女優人生は、その私生活と切っても切り離すことはできない。

映画『最後の命』で柳楽優弥が見せてくれる深さ、引き付ける力は、俳優人生の早い段階で覘いてしまった深淵と無関係ではないに違いない。

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