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●芸術的展開でプロレス史に残る、1977年世界オープンタッグ選手権開幕戦のテリー・ファンク。 [「言葉」による革命]

●芸術的展開でプロレス史に残る、1977年世界オープンタッグ選手権開幕戦のテリー・ファンク。

末尾ルコ「プロレスで知性と感性を鍛えるレッスン」

1977年12月に全日本プロレスが敢行した世界オープンタッグ選手権は、1975年12月
に大いなる期待を持って行われたオープン選手権が終盤を迎えるに従い有耶無耶なぼやけぶりを見せてしまったのに対し、開幕戦から最終戦まで正に「芸術的」とさえ表現できる見事な展開を見せ、プロレス興行史に残るものとなった。
世界オープンタッグ選手権についてはいろいろな側面から語れるが、参加メンバーはオープン選手権と比べると決して豪華ではない。
ファンクスとブッチャー・シーク組頼みであることは最初から分かっていたが、誰もが予想していなかったのが、あくまで「ドリー・ファンク・ジュニアの弟」というポジションだったテリー・ファンクの人気爆発だった。
最終戦のファンクスVSブッチャー・シーク組の、まるで映画のシナリオのような展開、
そしてテリー・ファンクに対して使われた凶器が「フォーク」であり、しかもフォークによって刺された箇所が「腕」であったという衝撃。
おかしな話ではあるけれど、プロレスファンは「額からの流血」には慣れている人たちであり、だからこそ大一番で「フォークによって腕を刺す」という反則攻撃はあまりにも常軌を逸して見えたのだった。

しかし。
しかし、そんな凄い決勝戦に至る前、この世界オープンタッグ選手権は、開幕戦でその後の展開を予言するような衝撃的シーンを生み出していた。

ブッチャー・シークが馬場・鶴田に勝利を収めたメインイベント後の乱闘にテリー・ファンクが乱入する。
しかしブッチャー・シークにつかまり、狂気攻撃で顔面血だるまの凄惨な様相。
それだけではなく、首に紐を巻かれたまま、ロープの外側に、しかも横向きに「はり付け状態」にされた姿が全国に放送される。
そのテリー・ファンクの、微細な痙攣を伴う壮絶な「やられっぷり」を見た興奮は、わたしのプロレス観戦史の中で屈指のものだった。

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いっぷく

テリーがいちばんノッていた頃でしょうね。
テリーは一応NWAチャンピオンになってますが、あれはプロモーターの指示で各地で相手に胸を貸す仕事です。自分でブッカーになって、アイデアを出してツアーを仕切れたのは全日本プロレスですから、やり甲斐があったでしょうね。テリーの自伝によると、フォーク刺しはブッチャーと話し合って決めたらしいですね。たぶん開幕戦は、その伏線ということだったんでしょうね。でもあの盛り上がりが、その後の世界最強タッグ決定リーグ戦につながり、こんにちまで延々と続く興行になったのですから、すごいですよね。(といっても、21世紀に入ってからのは別物と思いたいですが)
私はてっきり、馬場鶴田が優勝するのだろうと思っていましたが、その頃クラスメートはみんなファンクスという意見で、事実そうなりました。私は興行の意図を読むのが下手だったのかもしれません。ただ、ハンセンも述べているように、全日本は、馬場がファンクスを押しすぎた面はありますね。インタータッグチャンピオンだった大木ドク組が、木村草津あたりと両リンに終わるなどファンクスより5点も少ない第4位の無様な成績に終わったことで、インタータッグの権威を下げてしまいました。以来、世界タッグになるまで、インタータッグは、アブドーラ・ザ・ブッチャー&レイ・キャンディとか、スタン・ハンセン&ロン・バスとか、まだ一流としてファンの認識が定着する前のコンビにも、先行して実績作りをするための道具になり、最強タッグこそが、その年、もしくは翌年のナンバーワンチームということになりました。皮肉というか、初期のIWGP的な権威が最強タッグにはありましたね。

ハリウッド・ブロンドスは、最初国際に来てましたね。ジェリー・ブラウンがちょっと爺さんな感じがしましたが、タッグチームとしてはよかったですよね。バディ・ロバーツはフリーバーズとして全日本にも来ていると思うのですが、馬場はテリー・ゴディしか興味がなかったのか、身長が足りなくて嫌われたのか、あまり活躍した記憶がありません。
by いっぷく (2017-04-10 01:55) 

caveruna

懐かしいです!
祖父がプロレス大好きだったので、
チャンネル権は、祖父に・・・。
小学生の頃の記憶。
フォーク覚えています!
ブッチャーの靴も、頭の傷も、ダブダブの白いパンツも(笑)
by caveruna (2017-04-10 15:18) 

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