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●「痒い」、そして「かくと気持ちいい」という不思議な感覚~それとは関係なく、『日本有線大賞』大賞受賞の氷川きよしの歌唱クオリティについて。 [「言葉」による革命]

●「痒い」、そして「かくと気持ちいい」という不思議な感覚~それとは関係なく、『日本有線大賞』大賞受賞の氷川きよしの歌唱クオリティについて。

末尾ルコ「音楽と日常描写の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

目、と言うか、瞼の内側と言った方が正確だが、もっと「わたしの場合」を詳細に語れば、左目頭の辺りが痒くなることがあるのだけれど、痒くなってもかくべきでないことはわかっているのである。
ところが、「かいている時間」のあまりの心地よさに負けてしまうことも少なくない。
「痒いところをかく心地よさ」とは何なのだろう。
そもそも、「痒い」という感覚はかなり不可思議なものだ。
「痛み」の場合はただ「痛い」がそこの場所にあり、「痛み」に対する人間の思いは、「痛みが消失するか否か」かかってくる。
ところが「痒い」の場合は、もちろんわたしたちは「痒みの消失」を願うのだけれど、その前に「かけば気持ちいい」という前段階がある。
そしてその「気持ちよさ」たるや、「痒みなし」では決して味わうことのできない圧倒的快感なのだ。
ところが「かいた後」、その箇所の炎症は悪化し、より痒くなったり、その他のトラブルも表われる。
実に不思議で理不尽な感覚だ。

などと、またぞろ痒い目頭をごしごし擦った後の不快な熱感を味わい後悔しながら、そんなことを考えたものだけれど、目薬させばちったあよくなることも付記しておこう。

50回目の節目に「テレビ放送終了」と謳われた今年の『日本有線大賞』だが、大賞は氷川きよしが獲得した。
対象曲は「男の絶唱」で、「白雲の城」とともに私はこの歌、大好きである。

演歌・歌謡曲冬の時代に氷川きよしが果たしてきた役割は極めて大きく、早い時期から広範な知名度と人気を獲得し、先細り気味の演歌シーンを牽引してきたのは、今年まで(笑)演歌に疎かったわたしでも実感として理解している。
そして若い頃から様々な楽曲に挑戦し、「演歌イメージ」の拡大にも大きく貢献してきた。
演歌の世界、かつては「一曲ヒットすれば、生涯食べていける」とも言われていて、現に一曲だけのヒットでいまだに歌い続けている演歌歌手は数多いが、氷川きよしは常に「トップランナー」イメージを保ち続けていて、その点でも凄い。
というわけで、氷川きよしに対して何ら注文を付けるところはないと思うが、一つ気づいたのが、

「続けて歌を聴いていると、単調に感じてくる」

という点であり、これは氷川きよしだけでなく、演歌歌手の多くに共通する問題点だと思う。
この件についても、今後思考を深めていきたい。



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いっぷく

私の場合、「痒いところをかく心地よさ」は耳がそうです。耳をかきすぎて、耳垢塞栓や外耳炎になって、この5年間で4回耳鼻科のお世話になりました。
耳鼻科に行った時は、もう2度と掻きすぎないようにしよう、いや、もう絶対に掻かないようにしようと思うのですが、何日か過ぎると、掻くからいけないので、擦るだけならいいのかも、などと悪魔の囁きがあり、それがまた気持ちいいので、そこからさらに踏み込んで「1往復掻くだけならいいことにしよう」と自分に負けてしまい、あとはもうなし崩しにもとの掻きすぎに戻ってしまいます。
昔幼稚園の頃、用を足したくなったのですが、気の弱い私は言えず、少しだけ小水が漏れてしまったのですが、「よし、少し漏らして、それが乾いた頃、また少し漏らそう」などと思いついたものの、乾く前に次が出てくることの繰り返しで、とうとうズボンに滲み出て他の園児にバレてしまい、はずかしくなって翌日の幼稚園を休むことになってしまいました。
なしくずしはいけない、という教訓を幼稚園で経験しているのに、今また同じことを繰り返しているというのは全く愚かなことだと一応反省はしています。

>50回目の節目に「テレビ放送終了」と謳われた今年の『日本有線大賞』

日本有線大賞は、日本レコード大賞や日本歌謡大賞とともに、権威ある賞で、プロレスに例えますと、TBS単独開催のレコード大賞はWWWF、民放キー8局が加盟する日本歌謡大賞はNWA、最大手が加盟していない中堅テリトリーの集合体である日本有線大賞の全音協はAWAという位置づけですが、歌謡界の場合、NWAが一番最初に崩壊してしまいましたね。
USENが大阪有線の時代に、私は神奈川県内の同社各支社に、自動車保険の団体扱契約を募集する仕事で回っていました。団体扱というのは、保険料が給料天引きで10%安くなるシステムなのですが、その頃から強引な工事が地域で問題になっていて、支店長は私に弁明していましたね。こちらは保険の仕事で付き合っているだけなので別にそれはどうでもいいんですけどね。
USENが全音協加盟しない理由はわかりませんが、業界ナンバーワンにとって、むしろ多社連合体は自分のライバルにしかならないという、音事協にジャニーズが加盟しないのと同じ理由のような気がします。

>「続けて歌を聴いていると、単調に感じてくる」

ある女デュオの取材をするために、2011年に虎ノ門の日本コロンビアに何度か行きましたが、入り口は、ポスターとか等身大パネルとか、もう氷川きよし一色でした。
うまいけど何かが足りないのでしょうね。
餃子(のみ)定食とか、飯を大盛りにされると、餃子そのものは悪くないのに飽きてくるという感じで。
少し違うかもしれませんが、歌の評価で思い出すのは立川談志です。
むかし、たしかやじうま寄席だったか、タイトルは失念しましたが、のど自慢のコーナーがあって立川談志が審査員だったのですが、誰もが巧いという人ではなくて、少し落ちると思われる人が最優秀だったのです。
そのときの理由が「欠点のないのが欠点」ということで、伸びしろもメリハリもないという意味かなと今は解釈しています。
子どものママ友で、顔もスタイルもそこそこのきれいな人がいて、その人と仲のいいママで、顔は考えさせられるのですがスタイルはバツグンという人がいます。
多分私は、どちらを採るかと言われたら、後者のママだと思うのですが、談志の言いたいことはそういうことかなと思いました。
by いっぷく (2017-12-09 10:28) 

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