SSブログ

〈「言葉」による革命〉・・・末尾ルコ「映画でエロティシズム論」~「ニシノユキヒコノの恋と冒険」のどこがエロティックか?2016年3月5日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「映画でエロティシズム論」~「ニシノユキヒコノの恋と冒険」のどこがエロティックか?

井口奈己監督の「ニシノユキヒコの恋と冒険」について、「エロティックである」という意味の記事を先日書きました。
「エロティックである」といいますが、なかなかないんです、日本映画には。
ハリウッド映画にもほとんどない。
同じ米国でもインディ系の映画には時にあります。
ただ「どんなものにエロスを感じるか」は個人的な嗜好も大きいし、国によって文化によってずいぶんと違うものです。
同じ日本でも江戸時代と現代ではかなり違っているでしょう。
ある程度文明が成熟した社会におけるエロティシズムにとって「服装」はとても重要なファクターなんですが、江戸時代は基本が和服、そして現代日本は洋服なのだから感覚がまったく変わっても当然です。
しかしそんな時代の変化の中でも日本人として変化しない、変化すべきでないエロティシズムの感覚があるとわたしは考えています。
その一つが「恥じらい」、あるいは「羞恥心」ですね。
勘違いしてならないのは、この感覚を「女性だけが持つべき」と言っているのではなく、日本人なら「男性も同様に持つべき」だと言っているのです。

それはさて置き「ニシノユキヒコノの恋と冒険」ですが、女優のヌードシーンは一切ありません。
それなのにかなり濃厚にエロとティックな雰囲気が漂います。
出演女優は尾野真千子、成海璃子、木村文乃、 本田翼、そして麻生久美子と豪華な顔ぶれ。
この中では残念ながら成海璃子だけが飛び抜けて浮いてます。
他は皆いい感じを出していた。
中でも尾野真千子と「ニシノユキヒコノ」役の竹野内豊が職場で戯れるシーンが最もエロティックなんです。
直接的な行為をする演技はまったくない。
ところが「感じさせる」のですね。
一帯どういうことなのでしょう?
ぜひ観て頂きたいシーンです。

nice!(19)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 19

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0