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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「映画俳優演技論」~酒井若菜の「前歯抜き」は役作りとして「フライング」である。2017年3月1日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「映画俳優演技論」~酒井若菜の「前歯抜き」は役作りとして「フライング」である。

酒井若菜という女優がフジテレビ系テレビドラマに2話分出演するための役作りとして「前歯を抜いた」という話題がありました。

基本的にそれは本人の自由なんだけれど、わたしはこの件に関しては「やり過ぎ」、きつい言い方をすれば、「無駄」だと考えます。
ただ酒井若菜という女優が前歯を抜くことによって少しでも自己アピールしたい気持ちは分かります。
今のままではたいした役もなく、便利遣いをされた挙句、じょじょにフェイドアウトしていく。
酒井若菜の場合、まず間違いなく、そうなっていくパターンです。

酒井若菜も松尾スズキ監督の映画「恋の門」では松田龍平の相手役でなかなかよかったんです。
ただその後(これは)という役がない。
美形でプロポーションもいいけれど、(これが酒井若菜だ!)という個性、オーラがない。
そんな一人の女優がサバイバルを目指しての、「前歯抜き」なのだと想像します。

しかしこれは客観的に見れば、「フライング」です。
スポーツ報知に酒井若菜の談話が掲載されていましたが、次のようなものです。

「私は、以前から言っているように、役や作品の大きさで、役作りの程度を変えることができないのです。ゲスト出演でも、必要ならば歯の一本くらい抜く。それが私の仕事に対する誠意です」

「大切なユースケさんの、大切な主演作に、少しでも貢献できればと思い、ユースケさんはじめ、皆さんと相談して、抜いちゃいました」

この発言、どうお感じになりますか?
日本でも役作りのために「歯を抜いた」俳優がいます。
田中絹代、三国連太郎、そして松田優作ら。

田中絹代は「楢山節考」。
三国連太郎は「異母兄弟」。
松田優作は「野獣死すべし」。

いずれも日本映画史上屈指の俳優たちが、日本映画史上に残る作品の主演を任された上での役作りです。

ここまで書くと、酒井若菜の「前歯抜き」がいかに「フライング」であるかお分かりでしょう。
「俳優の演技における肉体改造」については、今後も深めていきます。

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