●末尾ルコ「平成史」～平成２年、バルト三国独立、「’90スーパーファイト IN 闘強導夢」とプロレス試合時間の問題。

●末尾ルコ「平成史」～平成２年、バルト三国独立、「’90スーパーファイト　IN　闘強導夢」とプロレス試合時間の問題。

末尾ルコ「平成史の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

平成２年は１９９０年である。

２月にはローリング・ストーンズが初来日公演を行い、ラトビアがソ連からの独立を宣言している。
そのラトビアから女子テニス選手エレナ・オスタペンコが出現し、２０１７年全仏オープンでノーシードから衝撃的な優勝を飾った。
ラトビアはヴァイオリニストのギドン・クレーメルも輩出している。
３月にはリトアニア、エストニアも独立し、いわゆる「バルト三国」のすべてが独立したのだが、これら国々はいまだロシアの干渉を恐れながら毎日を送っている。
同３月には、ミハイル・ゴルバチョフ最高会議議長が初代大統領に就任しているが、まだ「ソ連の」である。

１０月にはゴルバチョフがノーベル平和賞を受賞、１１月には英国のサッチャー首相が辞任、その政権は１１年に及んだ。

今年は選考委員の夫のセクハラ・性的暴行スキャンダルでノーベル文学賞の「発表なし」となったけれど、なのに「来年に２年分発表する」などと言っているが、これっておかしくないか？
今年はスキャンダルで「発表なし」であるのなら、今年は「選考できなかった」ということであり、来年発表するとしたら、「来年分だけ」だろう。
そもそもこのあたりで、ノーベル賞自体の意味をもう一度考えてみる機会ではないか。
「ハルキスト」とされる人たちの意味不明行動だけでなく、近年ノーベル賞ノーベル賞とギャースカ騒ぎすぎて鬱陶しい。

この年、日本映画の配収トップは角川春樹の『天と地と』になっている。
前売券商法で数字上大ヒットに結びついたとされる『天と地と』だが、わたしは後年鑑賞したけれど、評判通りものの見事に人間が描かれていなかった。

プロレス界に目を転じると、２月に東京ドーム　新日本プロレス「’90スーパーファイト　IN　闘強導夢」 が開催されている。
カードは、
30分1本勝負
飯塚孝之VS松田納

30分1本勝負
佐野直喜、ペガサス・キッドVS獣神ライガー、野上彰

30分1本勝負
後藤達俊、ヒロ斉藤、保永昇男 VS馳浩、小林邦昭、星野勘太郎

45分1本勝負
ブラッド・レイガンスVSビクトル・ザンギエフ

45分1本勝負
スティーブ・ウィリアムスVSサルマン・ハシミコフ

AWA世界ヘビー級選手権（60分1本勝負）
マサ斉藤VSラリー・ズビスコ

60分1本勝負
ジャンボ鶴田、谷津嘉章VS木村健悟、木戸修

60分1本勝負
タイガーマスク、天龍源一郎VS長州力、ジョージ高野

IWGPヘビー級選手権（60分1本勝負）
ビッグ・バン・ベイダVSスタン・ハンセン

60分1本勝負
北尾光司VSクラッシャー・バンバン・ビガロ

60分1本勝負
アントニオ猪木、坂口征二VS橋本真也、蝶野正洋

この頃のわたしはプロレスのテレビ観戦はほとんどしておらず、プロレス誌で情報を追っていたくらいだったが、こうしてカードを見直してみると、現在のプロレスよりもやはりずっとおもしろそうだ。
この記事では試合時間を載せてないが、試合時間も１５分前後が多い。
現在の新日本プロレスの、（どうせ２５分くらいまで勝負はつかないんでしょ）というパターンはもちろんサービス精神の表れだろうが、試合観る前から（う～ん、今から約２５分・・・）というのは、わたしにはかなり気怠いのである。

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コメント 2

坂口征二が馬場に頭を下げてレスラーを貸し出してもらって「プロレス界のベルリンの壁はこわれた」というときですね。このあとのドームでしたっけ。藤波がリックフレアーに勝ってNWAのベルトを巻いたのは。その後結局フレアーはベルトを持ち帰るわけですが。
それをみると、新日本プロレスというのは猪木に対して複雑な気持ちを抱きながらも、猪木の怨念のようなものはしっかり受け継いでいるんだなあと思いました。
たとえば、すでにこの時点でWWFにテリトリを食い荒らされてもはや実体のないAWAをマサ斎藤に取らせるのもそうですし。（しかもそのベルトはマサ斎藤が誰に負けてどう移動したのかも曖昧なママ、いつの間にかゼロワンのフラッグシップタイトルになっているし）、NWAが崩壊状態になってからNWAと提携して新日本は蝶野、橋本、さらには小島、天山あたりにまでNWAのベルトを巻かせましたよね。IWGPというタイトルやその理念はいったいどーなってるのと誰だって思うでしょう。
これはどう見ても、全日本に対する長年のコンプレックスだったとしか解釈できないですね。
タイトルが羨ましかった。もしくは全日本プロレスが重んじたタイトルを蹂躙したかった。
NWAをずっと独占されてきただけでなく、AWAも鶴田やハンセンがリターンマッチでもニックボックウインクルをしりぞけてAWAの本拠地をサーキットしていますね。それがどれだけうらやましかったかと。キラー・カーンもインタビューで言ってましたね。猪木はまじめだけどもアメリカのプロモーターには受けなかったと。だから猪木は「本場アメリカで認められる」ということにものすごい執念をもっていて、「アリと戦った男」としては知られたかもしれませんが、プロレスラーとしてベルトを巻いて各地をまわることはできなかった。
少なくとも馬場は、単発で、かつお手盛りタイトルですが、インターナショナルやPWFをあっちこっちで防衛していましたから、80年代ぐらいでさえ、アメリカではまだレスラー馬場にニーズがあったんですね。
猪木がバックランドからWWFをとったときも、ニューヨークでバックランドが奪還するのかと思ったら、いろいろ理由をつけて「返上」ということにして、猪木はニューヨークのリングには、チャンピオンとしても元チャンピオンとしても上がらなかったですよね。今にして思えば。、猪木が巻いたWWFのベルトの皮の部分が水色で、これはバックランドが遠征用に使っているベルトで、もともと本物のベルトを持ってきていなかったわけですから、最初から猪木にタイトルを渡すつもりはなかったんですね。
そういうことがあったから、新日本としては、もはや名前しか残っていないメジャータイトルをとにかく取りたかったのかなと思いました。
プロレス時間も、90年代の全日本プロレスの四天王プロレスに対するコンプレックスがあったんじゃないかとおもいます。全日本がいわゆる2.9プロレスをやっているときに、新日本は8人タッグだの10人タッグだのを10分ぐらいでやってましたよね。
営業力だけでいえば、新日本と全日本の差は5:2ぐらいといわれていましたが、ソフト的な面では新日本は全日本に対するコンプレックスで頑張っていてのかもしれません。嫉妬をパワーにするというのは、まさに猪木イズムですね。
by いっぷく (2018-05-21 03:47) 

おはようございます。
やりましたね！カンヌ映画祭で是枝裕和監督の「万引き家族」、最高賞のパルムドールを受賞！
授賞式でのケイト・ブランシェットのツーショット、出演者が一緒でなかったのは悔やまれますけれど、それにしてもあんな地味で汚らしい(東京で暮らす家族の一面を描いたと言う事で貶している訳ではありません)が選ばれるとは、素直に嬉しい限りです。

村上春樹作品は数冊しか読んでいないので、それだけで彼の著作を語ろうとまでは思いませんけれど。。
ノーベル賞の時期になると、必ず話題になる彼の受賞は否か？
書かれた通り･･･「ハルキスト」とされる人たちの指示言動、大きく取り上げるマスコミの不明さ。それはここ数年ずっと私の中でも大きな疑問のひとつでした。
だって周囲で、彼の本を読んでいる人など一人もいませんもの。私自身、それ程読みたい気持ちもおこらないのです。


by hana2018 (2018-05-21 11:00)