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映画「アンテナ」。加瀬亮とSM女王のマゾヒスティックなマスターベーション [高貴な感覚 エロティシズム]

SM!などと称して全然エロティックでない映画が多い昨今、
熊切和嘉監督の「アンテナ」はエロティシズムの観点から、かなり満足のいく作品となっている。
田口ランディ原作のこの作品は、もちろん「SM映画」というわけではない。
けれど「死」充満する家庭の中にいる加瀬亮による、
目を見張るようなマスターベーションシーンも含め、多くの場面でエロスとタナトスが色濃く交錯する作りとなっている。
一見穏やかに見える加瀬亮の過激な実像や「覚悟」を知りたければ、
この「アンテナ」は必ず観ておかねばならない。

SM女王役として小林明実が登場する。
黒いノースリーブのドレスに黒いヒール。
もちろん陳腐な「女王様スタイル」ではない。
しなやかな体、長い黒髪、そしてすらりと伸びた美しい指。
顔のアップは少ないが、その佇まいは扇情的だ。

SMのセッションを行う部屋は小さなキリスト教会のように見える。
その小さな部屋に、黒いドレスの彼女といるだけで、ほとんどの男はエレクトするだろう。

彼女はこのような意味のセリフを言う。
「あなた、わたしを想って、したでしょう」
このセリフは正確でないかもしれない。しかし、このような意味のセリフだ。

なんとエロティックな場面なのだろう。
人間の性欲が動物の性欲と大きく違うのは、エロティシズムにおける言葉の役割だ。
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