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小説 神秘アンチエイジング&エロス ブログトップ
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小説 神秘アンチエイジング&エロス 237 用事 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

実は瑛次は、「歩いて内心の熱さを振り切る」という行為を邪魔され、かなり不快な気分になっていた。
しかしもちろんそんな感情はおくびにも出せないのが瑛次だ。
「なんか用事なの?」
真理は息を最終的に整えるように、何度か肩を上下する。
「用事というか・・、瑛次さん、今日はホントにごめんなさいね」
「え・・、ああ。でも君のせいじゃないから」
「え・・、瑛次さん、優しいんですね」
「え?」
「わたしね、ホント横で見てて、瑛次さんもうお店に来なくなるんじゃないかって、とっても心配になって」
「あ、いや、大丈夫だから」
本当は(もう来るもんか)と思っていたのだが・・。
「ヒサさんも大人げないところあるから」

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
実際の効果には、個人差などがあるものだと思われます。
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小説 神秘アンチエイジング&エロス 236 額 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

「ハッ、ハッ・・。え、瑛次さん、ハッ、ハッ・・ふううう」
かなりのスピードで自転車をこいで来た真理の息が荒い。
「え、どうしたの?」
真理のおかっぱの前髪が風圧で左右に分かれ、やや広めの額が露出している。
瑛次は真理の額を初めて見た。
初めて見た真理の額に瑛次は一瞬吹き出しそうになった。
少し垂れた目と額の広さがかなりアンバランスで、(なるほど、いつもおかっぱにしているはずだ)と思った。
「え、瑛次さん、よかったあ、間に合って」

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
実際の効果には、個人差などがあるものだと思われます。
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小説 神秘アンチエイジング&エロス 235 自転車 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

未来軒を出てから五分ほど歩いただろうか。
「瑛次さ~ん!!!」
背後から女の呼び声が聞こえる。
(女?)
すぐに良子を連想するが、すぐに良子の声ではないと理解する。
(誰?)
振り向くと自転車に乗った女が見る見る近づいてくる。
(真理!)
瑛次の心に先ほど初めて知ったラーメン屋の女の名が浮かぶ。
「瑛次さ~ん!!!ちょっと待ってくださ~い!」
瑛次は立ち止まり、真理の自転車がキキキとブレーキの音を上げる。

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
実際の効果には、個人差などがあるものだと思われます。
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小説 神秘アンチエイジング&エロス 234 町 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

瑛次はすぐに自分のマンションに向かわなかった。
混乱し沸騰した頭を冷やしながら整理する必要を本能が感じていたのだ。
もちろん行き先などない。
ただ足を前へ前へ進めることで、今日あった不快な出来事を少しでも振り払いながら、気持ちの中を整理していく。
歩く瑛次の左に車道があり、右には商店街がある。
次々と通り過ぎていく商店街の建物だが、瑛次の意識に残るのは強烈なコンビニの光だけだ。
ファミリー・マート、ローソン、サンクス、スリーエフ・・、そしてコンビニの間に巨大なパチンコ店が唸りを上げている。
(ああ、なんて町なんだ)
瑛次はこの町が嫌いだった。

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
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小説 神秘アンチエイジング&エロス 233 未来軒の夜 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

「いや、もうそろそれ帰らないと・・」
「あー、はいはい!お~っと、こんな時間か!いやあ、引き留めちゃったねえ!」
瑛次は店主の背後の壁にかかっている時計をチラッと見た。
9時を指している。
(9時?)
改めて驚き、呆れた。
(いったいおれは何をしていたんだ)
「じゃ、エイピー!また明日来てくださいね。ラーメンただにしますから」
「あ、はあ・・」
(誰が来るか)と思ったが、そんなことを口にできるわけもない。
「エイピー!ホントに来てくださいよ」
真理の声がかかる。
「はい、じゃあまた」
かくて長かった「未来軒の夜」は終わるのだが・・。

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小説 神秘アンチエイジング&エロス 232 弟 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

「エッジい~~?」
「そうですよ、エッジ」
「じゃ、〈エイピー〉はエッジなの?」
「もちろんですよ、ヒサさん!」
店主は瑛次の方へ向き直った。
「そうかあ~。よっしゃ・・。じゃ、瑛次さん。今この瞬間から、わたしは〈ヒササン〉、あなたは〈エイピー〉、いいですか?」
「あ・・、はあ」
「呼んでくださいよ」
「え」
「ひ・さ・さ・ん」
「あ・・、ヒサさん」
「どうした、エイピー?ああ、こりゃいい感じだ。うん、いい。なんか弟ができたような気分ですよ」
「よかったねえ、ヒサさん!」
「あ、あの・・、もうそろそろ帰らしてもらえますかね」
「え?」

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小説 神秘アンチエイジング&エロス 231 エッジ [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

「ああ!いいねえ!うん、ホント、いい。こうなるとこちらも〈瑛次さん〉は他人行儀だねえ。どう呼ぼうかあ~。真理っぺ、どう呼んだらいいかねえ?〈エイちゃん〉?」
「〈エイちゃん〉じゃ、矢沢永吉さんになっちゃいますよお」
「お、そうか。さすが真理っぺ!ナウいねえ!じゃあどう呼んだらいいかねえ」
「そうですね~・・、〈エイピー〉なんてどうですか?」
「〈エイピー〉?それ、ナウいの?」
「ナウいなんて、今はそんな言い方しませんよ、ヒサさん!」
「え~!じゃあ、どういうの?」
「エッジですよ、エッジ」

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小説 神秘アンチエイジング&エロス 230 ヒサさん [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

「ん、何です?瑛次さん!こりゃいい感じだ。うん、いい」
「いい感じ、いい感じ!」
「わっはっはっはぁ」
二人のノリについていけるはずもなく、瑛次は顔を引きつらせながら「笑ってる感じ」を見せるしかない。
「瑛次さん、これホントいいです!もう一度〈ヒサさん〉と呼んでくださいよ」
「え?」
「さあさあ、瑛次さん!」
「え、い、じ、さ、ん。言ってあげて!」
今のは店員のウインクだろうか、瑛次はぼんやりそう感じる。
「え、い、じ、さ、ん!」
「あ、うん・・。ヒサさん・・」

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小説 神秘アンチエイジング&エロス 229 久雄 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

「ホントだ、真理っぺに感謝だ。うん、感謝。いやいや瑛次さん、ホント、申し訳ない。わたし、どうかしてましたよ。う~ん、疲れてたのかもしれないなあ」
「い、いや、かまいませんよ、ぜんぜん・・」
「いやいや、ホント、失礼なこと言っちゃった。このままじゃ、わたしの気持ちが収まりませんから、今度ラーメン一杯おごらせてください」
「いや~、別にかまいませんから」
「ダメですダメです。わたしの気持ちが収まらないから。そうだ、雨降って地固まるで今までよりももっと密にお付き合いさせてもらいましょう。そうだ、これからはわたしのことを〈ヒサさん〉と呼んでくださいよ」
「え」
「〈ヒサさん〉です、〈ヒサさん〉」
「いや、あの・・」
「瑛次さん、マスター久雄さんなの。言って言って〈ヒサさん〉」
「え」
「瑛次さん、言ってみて」
「・・・ヒサさん」

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小説 神秘アンチエイジング&エロス 228 真理 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

店員の声が不必要に弾む。
その「弾み」に店主も乗る。
「そうだそうだ、瑛次さんはそんなことで根に持つ人じゃない。うん、ない」
「ですよねえ~、ねえ、瑛次さん!」
「あ・・、うん、もちろん」
「いや~、もう!お二人が険悪なんで、わたしどうしようかと思っちゃいましたよお!」
店員がこの場をまとめに入っている、と瑛次は感じる。
「ねえ、ヒサさん!わたしに感謝してくださいよお。わたしがいなかったら、瑛次さん、もう来なくなってたかもですよお」
「ああ、そりゃ困る。うん、困る。真理っぺに感謝しないといかんねえ」
「そうですよ、感謝ですよ。ねえ、瑛次さん」
「あ・・、うん、もちろん」

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