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小説 神秘アンチエイジング&エロス ブログトップ
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小説 神秘アンチエイジング&エロス 246 奴ら [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

「え~い~じ~ちゃ~ん」
すぐに瑛次にはその声が誰から発せられているものか理解した。
駆け出そうという衝動にとらわれた、「奴ら」を振り切れるとは思えなかった。
瑛次は子どもの頃から足が速い方ではない。
(何でこんな目に・・)
呪いとパニックに見舞われる。
「え~い~じ~ちゃ~ん!モテモテでちゅねえ」
5人は一せいに大笑いする。
「おれもえいじちゃんみたいにモテたいなあ!」
「お前じゃ無理無理!えいじちゃんみたいな、おかまっぽい感じじゃないと」
またも爆発的な笑い。
「おかまだってさ、トシオ」

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
実際の効果には、個人差などがあるものだと思われます。

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小説 神秘アンチエイジング&エロス 245 木霊 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

「え~い~じ~ちゃん」
大きく心臓が跳ねた。
振り向くべきかどうか迷う暇もなくさらに声がかかった。
しかもそれは一人の声ではなく、複数の声が瑛次を木霊のように瑛次を取り囲む。
「え~い~じ~ちゃん」
   「え~い~じ~ちゃん」
       「え~い~じ~ちゃん」
           「え~い~じ~ちゃん」
「え~い~じ~ちゃん」
   「え~い~じ~ちゃん」
       「え~い~じ~ちゃん」
           「え~い~じ~ちゃん」

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
実際の効果には、個人差などがあるものだと思われます。



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小説 神秘アンチエイジング&エロス 244 悪態 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

真理が両手で差し出したのは花模様の封筒だった。
「うっ」と思ったが、瑛次は受け取ってしまう。
「あの・・」
「じゃ、わたしお店へ帰ります。これ、今夜中に読んでくださいね。あ、それと、明日は必ず来てくださいね」
赤らめた顔を自転車とともにターンさせ、真理はもと来た道を引き返していく。
真理の後姿を眺めながら、瑛次の心には「混乱」「自己嫌悪」「怒り」が混ぜこぜになって渦巻き始める。
(なんて夜なんだ。まったく、なんて夜なんだ)
道行く人たちすべてが瑛次を嘲笑っているように見える。
(殺してやる!こいつら全部、殺してやる!)
心で可能な限りの悪態をつく瑛次。
そのときだった。

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
実際の効果には、個人差などがあるものだと思われます。
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小説 神秘アンチエイジング&エロス 243 スタートとゴール [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

真理の話は終わらない。
「でもこれが始まりですよね。そう、これが始まりです。ゴールなんかじゃないんですよ。こんなことをゴールだと思う人いるみたいなんですけど、わたしは違うと思う。スタートです、これはスタート。スタートです、瑛次さん。わたしうかれたりしません!」
(スタート?ゴール?スタート?ゴール?・・・)
瑛次の脳内で不可解な単語が渦巻く。
これは現実なのだろうか、それとも幻想の世界。
ずいぶん前に聴こえなくなったはずの救急車の音がまた脳内に響く。
「それでね、瑛次さん。う~ん・・、渡しちゃおうかなぁ。でもどっしよ~かなあ・・。わああ、やっぱり緊張しますね、こういうこと。瑛次さんの気持ちが分かっても緊張するなぁ、もう・・」
(おれの気持ち?)
「でもやっぱり渡しちゃいます。瑛次さん、これ読んでください」

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
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小説 神秘アンチエイジング&エロス 242 歓喜 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

しかし今のところ「勇気を出して」言うようなことなど何もない。
けれど「何もない」ことを言うことはできないとなると、いったいどうすればいい?
「そうねえ・・、まあ、すごく性格もいいし。けっこういいんじゃない?」
(何を言ってるんだ、おれは)
しかし口から出た言葉はもう帰ってこない。
「え、瑛次さん!そうなんですか!え~~~、そうだったんですか・・。いや~、どうしよう・・。もう!恥ずかしい。恥ずかしいなあ、もう!わたしこんなこと・・初めてで。スゴク恥ずかしいです、ホント。でも嬉しい、瑛次さん・・。瑛次さんがそんな風に思っててくれたなんて、ホント、スゴク嬉しいです」
(おれ、そんなに喜ぶようなこと言ったか?)
じょじょに虚ろになってくる意識の中で、瑛次は漠然とそんなことを考えていた。

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
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小説 神秘アンチエイジング&エロス 241 勇気 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

「瑛次さん、わたし勇気出しちゃいます!だって、瑛次さんがそんなふうに言ってくれるんだもの」
(そんなふう?)
「瑛次さん、わたしのことどう思ってくれてます?」
(どう思ってくれてる?)
「え?」
「どう思ってくれてるんですか?わたしも勇気出したんだから、瑛次さんも出してください!」
(瑛次さんも?)
実のところ瑛次は真理について「何も」思っていなかった。
未来軒へ行った時だけ思い出す、それだけの存在だった。
しかし「あ、店へ行った時だけ思い出してるかな」・・とは言えない。
さらに「何も思ったことないよ」などともとても言えない。
そして少なくとも「どう思ってくれてます?」と尋ねられた瞬間から「何かを思い始めた」というのも事実だ。

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小説 神秘アンチエイジング&エロス 240 深入り [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

真理が瑛次の反応を待っているのは明らかだ。
しかし何を言えばいい。
真理の言う「無理」が何を意味しているかくらい瑛次にも分かる。
そしてもちろんそこへは深入りしたくない。
深入りせずに、しかも穏便に収めるリアクションはないものか。
「無理って・・、そんなことは誰にも分からないんじゃない?」
(おれは何を言ってるんだ・・)
真理は頬を軽く赤らめ、上目づかいで瑛次の顔をのぞく。
「そうですよね!そんなこと誰にも分からない。だからチャレンジ、チャレンジ!ですよね」
「え、まあ、そんな感じかな・・」

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小説 神秘アンチエイジング&エロス 239 躊躇い [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

「あ、うん・・、そうだけど」
「人生一度きりだから、精一杯生きなきゃ・・、ですよね」
「あ・・、まあそうだね」
(まずい)瑛次は思った。
同時に(それもありかな)という意識の芽もポコッと生えた。
「でもなあ・・、でも、無理ですよねえ~。無理だろうなあ、わたしなんて・・」
真理は少し下を向いて、恥じらうような躊躇(ためら)うようなそぶりを見せる。
(何かおれが言わなきゃならないのか・・)

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小説 神秘アンチエイジング&エロス 238 救急車 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

「あの、なんかわたし・・。でも・・。んんん・・、やっぱり止めようかな」
「・・・」
ここで「じゃ、止めてくれ」と言うことができればよいのだが、さすがにそれはできない。
「でも・・、やっぱり人生一度きりですよね」
「・・・」
「瑛次さんも思いません?人生一度きりだって」
「え・・、うん、そうだね」
遠くで救急車の走る音が聞こえる。
瑛次の脳裏を赤いランプが行き来する。
「人生一度きりだから、自分の思いはちゃん伝えないとって思うんです。人生、一度きりですもんね」

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
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小説 神秘アンチエイジング&エロス 238 方向 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

「あ、うん・・、そうかもね」
「だから瑛次さんが気分を直してくれたのがすごく嬉しかったし・・」
「あ、そう?」
「それで、その、なんか・・」
「え?」
「こんなこと言っていいか分からないんだけど・・」
「え?」
「なんかわたし・・」
「え?」
瑛次でも真理の話がどこへ行きそうかある程度予想がついた。
そしてできればその方向へ行くことは避けたかったのだが・・。

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
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