●「母連れ狼」末尾ルコ(アルベール)、うたちゃん(母)の日々~ヴィスコンティ『山猫』のバート・ランカスター、圧倒的魅惑、そして異常なまでの舞踏会。 [「言葉」による革命]
わたしはアートでロックでハードボイルドでポップでジェントルな末尾ルコと名乗り、しかし地元ではふつうアルベールなのですが、「初恋のヒヨコ」でもあります。原則いつも母(うたちゃん)と行動を共にし、車いすを押しておるそのイメージから「母連れ狼」とも名乗ります。
そう、最高の介護を超えるべく。
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そう。わたしは『山猫』のバート・ランカスターに魅せられた。
もちろんヴィスコンティ作品、『家族の肖像』にもランカスターは出ている。
けれど『家族の肖像』のランカスターは老いた教授の役。
『山猫』の彼は熟年の色気たっぷりの、立ち姿だけでも溜め息が出るような貴族の男。
しかしバート・ランカスターといえば西部劇。
いかつい顔の怪物的なタフガイの役が印象的だと、わたし彼の出演映画をさほど観ているわけではないのにそんなイメージを持ち続けていたし間違いでもないだろう。
『地上より永遠に』で、あのあまりにも高名な、デボラ・カーとの波打ち際での美しい美しいラヴシーンもある。
もともと当然ながら一筋縄でいくはずもないスーパースターではあるけれど、それにしてもこれにしてもあれにしても『山猫』のランカスターは魅惑的に過ぎる。
既に大傑作『太陽がいっぱい』を世に出しているアラン・ドロンがぶっちゃけはっちゃけ霞んでしまう。
ドロン、黒のアイパッチでカッコいいんだけどね。
そして『山猫』の、19世紀の戦争シーン、さらに驚異的な舞踏会のシーン…(映画ファンでよかった…)と感じる時間。
ぎっしりと何人いるんだ、本物の貴族の衣装を着こんだ人々がうねうねと踊り続ける、あちらの部屋でもぎっしりと人々が動き続ける、遠景としてうねうねと踊り続ける。
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