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●末尾ルコ ジャイガーと香川京子の目 その6 [「言葉」による革命]

「怖い」と言えば、この前久々に黒澤明監督の『赤ひげ』を観たのですが、香川京子が「狂女」役で出演しているのですね。
その香川京子が若き医師見習いの加山雄三に自分の不幸な身の上話を、部屋で二人きりで始めるシーンがあるんです。
その内容は、「幼少時から性的虐待を受けてきた」というものが中心なのですが、(あれ?狂女というけれど、案外まともだぞ)とまず思うのですが、徐々におかしくなってくる。
二人の会話は始め引いたカメラで撮っていて、表情は分かり難いけれど、その後香川京子が加山雄三に抱き着いて「刺す」のですが、その過程で一瞬彼女の顔がクローズアップされる。
その「目」の恐ろしいことといったら!

まあ比べても仕方ないけれど、すっかり下火になったJホラーの作品群とは格違いの怖さなのですね。

タグ:映画 アート
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●我が母、心臓バイパス手術後、大転子部不全骨折後闘病記&退院後日誌355日目~大人の女性人気の極めて高い『追憶』と、ぜひ聴いてほしいバーブラ・ストライザンドの2曲。~ラミ・マレックもオリヴィア・コールマンもいいけれど、まだオスカー獲得してない名優がいっぱい。 [「言葉」による革命]

末尾ルコ「母の話、健康医療・介護福祉の話題、映画の話題」


9月22日(水)手術後546日目 退院後355日目

『雨のニューオルリンズ』のシドニー・ポラック監督作品の中で特に女性人気の高いのが、バーブラ・ストライザンド、ロバート・レッドフォード共演の『追憶』でしょう。
実はこの作品、母がお世話になっている映画好きのケアマネさん、そしてフランス人の獣人フェノンの奥様(ニュージーランド人)も「最も好きな映画」として挙げています。
バーブラ・ストライザンド本人が歌う「TheWayWeWere」の甘美で繊細なメロディと共に、大人の女性の心を揺さぶる大人の恋愛映画と言えるでしょう。

バーブラ・ストライザンドの歌としては、いいものは数多く、中にはそりゃあ暑苦しくねちっこい歌唱もあるけれど、不世出の大歌手であることに疑いは持っていません。
その中でもわたしが最高とずっと前から信じている曲が「Evergreen」です。
曲想もメロディも素晴らしく、何と言ってもバーブラ・ストライザンドの力強くしかも繊細極まりない歌声の魅惑がフルに発揮されている。
ぜひ一度聴いていただきたい一曲です。

「Evergreen」はバーブラ・ストライザンドとクリス・クリストファースンが共演した『スター誕生』のテーマ曲なんですが、作品としてはブラッドリー・クーパーが監督し、本人とレディ・ガガが主演した『アリー スター誕生』の方がよかった。
この作品中ガガによって歌われる曲の数々も素晴らしいものばかりです。

ちょっとお話逸れますが、映画『ボヘミアンラプソディー』でラミ・マレックがアカデミー賞主演男優賞を獲ったですよね。
『ボヘミアンラプソディー』はそれなりに愉しめる作品として貴重なものだとは思いますが、それまで映画界ではほとんど実績のなかったラミ・マレックがいきなり主演男優賞受賞というのはどうなのかといまだ思ってます。
いや、決して『ボヘミアンラプソディー』やラミ・マレックを軽視しているのではない。
作品自体、その演技自体だけを見れば上等なものです。
要するに比較の問題。
長年に渡って素晴らしい作品に出続けている素晴らしい男優たちでオスカーを獲得してない人たちがいっぱいいるんです。
ちょっと挙げるだけでも、ジョン・マルコヴィッチ、ウィレム・デフォー、ヴィ五・モーテンセン、ロバート・ダウニー・ジュニア、ジェイク・ジレンホール、ライアン・ゴズリング、ダニエル・クレイグ、さらにトム・クルーズ、そしてロバート・レッドフォードも俳優賞は獲得していません。
『女王陛下のお気に入り』でオリヴィア・コールマンがしぇん女優賞を撮った時にも同じような感覚を持った。
いや、ラミ・マレックもオリヴィア・コールマンも素晴らしいですよ。
しかしそもそも『女王陛下のお気に入り』で彼女は「主演」だったのか?
わたしにはレイチェル・ワイズとエマ・ストーンが主演に見えたのですが。

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