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●谷崎潤一郎の短編「柳湯の事件」・・「ヌルヌル」触感の極致。 [「言葉」による革命]

●谷崎潤一郎の短編「柳湯の事件」・・「ヌルヌル」触感の極致。

末尾ルコ「文学の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

谷崎潤一郎の短編「柳湯の事件」は歓迎すべからざる触感が生き生きと伝わってくる作品で、その「触感」とは「ヌルヌル」である。
あるいは、「ぬめぬめ」とか「ぶにゃぶにゃ」とか、様々な言い方があるだろうが、要するにそうした通常は嬉しくない「触感」を表現し、これほど的確な小説は他に思い浮かばない。(世界には無数の小説があるので、「わたしが読んだ範囲では」でしかないけれど)
そしてその「触感」表現がクリアな映像として脳内で焦点を合わす・・・「柳湯の事件」は、そんな魅惑の短編小説なのだ。


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極限の愛、日常の愛、その言葉 2017年10月24日 [「言葉」による革命]

そしてわたしはもう誓っている、
あなたには、
「本当のこと」だけを語りかけると。

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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「ミシェル・ウィリアムズがいつものように素敵な『フランス組曲』は不倫ロマンティックよりサスペンスを目指すべきだったか。2017年10月24日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「ミシェル・ウィリアムズがいつものように素敵な『フランス組曲』は不倫ロマンティックよりサスペンスを目指すべきだったか。

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

ミシェル・ウィリアムズ。
故ヒース・レジャーとのいろいろはさて置いて、近年「出演しているだけで満足できる女優」の一人だ。
彫りの浅い比較的平坦な顔立ちだが、とてもチャーミングである。
プロポーションが抜群だが、十分にリアリティがある。
演技は大仰なところがなく、しかも中途半端な取り組みではない。
『マリリン 7日間の恋』『ブルーバレンタイン』での取り組みを観れば、その命懸けの役作りが手に取るように理解できるはずだ。
そしてミシェル・ウィリアムズが『フランス組曲』に主演となると、期待しない方がおかしい。
『フランス組曲』とはこれまた何と魅惑的な響きを持つタイトルであるのか。
しかも原作者はアウシュビッツで死亡しているという。

ナチス占領下のフランスの地方都市。
妻ある女とドイツ軍中尉の禁じられた恋。

フランスの田園地方の風景はいつも通り美しく、住民がドイツ空軍の機銃掃射を受けるシーンはロミー・シュナイダー、ジャン・ルイ・トランティニャンの『離愁』を彷彿させる。
もちろん『離愁』を彷彿させるのはそのシーンだけで、後は「戦争中」を背景とした珍しくない「よろめき」物語となる。
ドイツ人役の登場人物はドイツ語を喋るのに、フランス人役の登場人物は皆英語を喋る。

『フランス組曲』、米国ではなかなかの高評価だが、フランスでは『ル・モンド』や『ラ・クロワ』などが最低点を付けている。(高得点を付けているメディアもあるが)

どうせならヒッチコックタッチのしっかりとしたサスペンスにした方がよかったのではと、クライマックスでミシェル・ウィリアムズが拳銃を構える姿を(美しいな)と見惚れながら思った。

●原稿依頼などは、気軽にサイドバーのアドレスへご連絡を!

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●安室奈美恵ライブのためにWOWOWと契約したあなた、ぜひ継続し、映画やテニスを愉しもう。 [「言葉」による革命]

●安室奈美恵ライブのためにWOWOWと契約したあなた、ぜひ継続し、映画やテニスを愉しもう。

末尾ルコ「メディアの話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

引退を発表した安室奈美恵の「デビュー25周年記念ライブ」を独占放送したことで、WOWOWの加入者が激増したという報道を見た。
しかし「安室奈美恵ライブ」を観て済めば、契約解除する人も多くいるだろうことは当然予想されるのだが、WOWOW社員でも何でもないわたしとしては。

ぜひWOWOWを継続視聴し、映画やテニスを愉しんで!

と呼びかけたい。
他の放送局とは比較にならないクオリティで、

「WOWOWを上手に利用すれば、人間的成長の糧にさえなる」

と、わたしは断言するのである。


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●今、日本で「デュオ」と言えば、「山田姉妹」!となってほしいことに関連し、Winkの時代をプチに振り返る。 [「言葉」による革命]

●今、日本で「デュオ」と言えば、「山田姉妹」!となってほしいことに関連し、Winkの時代をプチに振り返る。

末尾ルコ「音楽の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

山田姉妹の大目標が由紀さおり、安田祥子姉妹であることは早い段階で本人たちが公言しているが、このところザ・ピーナッツの曲を歌唱することが多く、それはザ・ピーナッツが日本のデュオ史上、いろいろな意味で最高峰であるから当然でもあるが、そう言えば80年代にはWinkというデュオが大人気だった時期があったことを思い出した。
もっともWinkが大人気だった時期はさほど長くはなく、概ねデビューからの次の3曲の時期に集中していた。

「愛が止まらない」
「涙をみせないで」
「淋しい熱帯魚」

これらは1988年と1989年のリリースである。
わたしが当時Winkをどう思っていたかというと、「特にどうとも思っていなかった」。
つまり、「いいとも悪いとも、好きとも嫌いとも思ってなかった」というくらいで、しかし上記3曲はいまでもだいたい口ずさめるのだから、まだ「流行歌」の概念は生きていたわけだ。
ところが今現在(2017年10月現在)、わたしがWink動画を視聴した第一印象は、

(これがあれだけ売れていたのか・・・)

というちょっとした驚きである。
どちらも小柄で顔はそりゃあ日本人の平均よりは上だろうけれど(明確な計算に基づくものではありません)、容姿的にも、(おっ!)と感じさせる要素皆無(個人的感想です)の二人が、誰でも歌って踊れるレベルの歌唱とダンスを披露している。
わたしは常に「AKB」的な存在や売り方には批判的なのだが、Winkを見れば、まだAKBの方がパフォーマーとして熟練度が高い。
が、しかし、概ね口パクのAKBに対して、Winkはどうやら実際に歌い踊っているという違いはある。
もっともWinkがあらゆるパフォーマンス機会に口パクでなかったか否かまでは分からないが。

Winkが当時、日本人の多くが口ずさめるほど売れた理由として、「日本では耳新しかったユーロビートを取り入れ」とか「無表情なマリオネット感を」とか説明されることもあるが、「なぜ売れたか」の分析的な文章のほとんどすべてが「後出しジャンケン」なので、わたしはほとんど当てにしていない。
ただ、Winkは、ある時代に一世を風靡した歌手としてはかなり特殊な部類に入ることは確かである。

ちなみに1986年のヒット曲トップ10は次の通りである。

1 プリンセス・プリンセス「Diamonds (ダイアモンド)」
2 プリンセス・プリンセス「世界でいちばん熱い夏」
3 長渕剛「とんぼ」
4光GENJI「太陽がいっぱい」
5Wink「愛が止まらない Turn It Into Love」
6工藤静香「恋一夜」
7Wink「淋しい熱帯魚 Heart On Wave」
8 工藤静香「嵐の素顔」
9 工藤静香「黄砂に吹かれて」
10 Wink「涙をみせないで Boys Don't Cry」

わたしにとって思い入れのある曲が一つとして存在しないのが何とも心地いい(笑)。

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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ詩D「猫、歴史」篇。2017年10月24日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ詩D「猫、歴史」篇。

「猫、歴史」

歴史の中に
人間はいる
人間だけが
歴史の中にいる
ビン長マグロは
ビン長マグロの世界で
歴史を築いたりしない
というのは本当だろうか?
ねえ、
ミルチア・エリアーデ先生?

・・・・・・

ぼくと
ぼくの素敵なネコで
築こう、
歴史!

(毎日、「末尾ルコ詩D」を書いてみましょう!わたしの創ったものを写すのではなく、ご自分で創ってみるのです)

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