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●末尾ルコ 『カサンドラ・クロス』に関するプチエッセイ。2 [「言葉」による革命]

映画『カサンドラ・クロス』は出演俳優が豪華だけれど、その豪華さが当時のスーパースター、スティーヴ・マックイーン、ポール・ニューマン共演の『タワーリング・インフェルノ』とはまったく異なり、主演がリチャード・ハリスという辺りで既に微妙で、この俳優はもちろん世界的スターなのだけれど、「大スターか」と問われれば、決してそうは言えない。
もちろんどんな基準で「大スターか」という問題はあるにしても。

タグ:映画 アート
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極限の愛、日常の愛、その言葉 2020年10月31日 [愛の景色]

それはもちろん
ただぼくの事情
2020年秋の
ただの(いやそうでもないか)
一人の男の事情

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●我が母(お母ちゃん)、心臓バイパス手術後、大転子部不全骨折後闘病記&退院後日誌383日目~『陽暉楼』、緒形拳の「殺気」と数々の醍醐味。 [「言葉」による革命]

末尾ルコ「母の話、健康医療・介護福祉の話題、映画と芸術の話題」

10月23日(木)手術後574日目 退院後383日目

五社英雄監督の『陽暉楼』についてのお話を続けますと、堂々たる主演の池上季実子、この作品の数年後には「2時間ドラマ女優」となってしまったのはいかにも残念でした。
普通は『陽暉楼』くらいの映画で見事に主役を務めたら、その後しばらくは高品質の映画出演が続きそうなものだけれど、この辺りは日本芸能界の辛いところです。
わたしの青春時代(笑)、池上季実子にはとてもいいイメージを持っていたのですが、(いつの間にかあまり観なくなったなあ・・・)という印象だったけれど、2時間ドラマ出演を連発してたんですね。
わたし2時間ドラマ観なかったから、そりゃあ目に入らないわなあ。
浅野温子も「W浅野」と呼ばれる前の、この作品くらいの頃の方が(何をやるか分からない)という迫力がありました。
そして緒形拳がいいんだな。
この時期の緒形拳は日本映画界のトップ男優の一人でしたね。
しかしこういう感じのトップ男優というのも今はいない。
ざっと挙げてみても、
『鬼畜』
『復讐するは我にあり 』
『わるいやつら』
『ええじゃないか』
『北斎漫画』
『楢山節考』
『陽暉楼』
『魚影の群れ』
『櫂』など、凄いですねえ。

当時の緒形拳には色気とともに「殺気」がありました。
「殺気」、わたしが大好きな言葉であり概念です。
日本映画界で誰に「殺気」を感じるかと言えば、例えば『眠狂四郎』や『大菩薩峠』などの市川雷蔵、あるいは松田優作、最近では前にも書きましたが、綾野剛にも時に感じます。
世界映画に目を向ければ、若き日のロバート・デ・ニーロやクリント・イーストウッド。

そう言えばわたしは『子連れ狼』という劇画が大好きなのですが、その主人公である拝一刀、映画では若山富三郎、テレビでは萬屋錦之介が演じていますけど、本当に劇画のイメージを再現するのであれば、クリント・イーストウッド、日本の俳優では高倉健ですな。
あ、そうそう、高倉健も作品によっては凄まじい殺気を発揮しています。

『陽暉楼』には『ゴッドファーザー』へのオマージュとも言えるシーンや『パルプ・フィクション』を先取りしたかのようなダンスシーンもあります。

かつて北野武監督は、「乳出して暴れるような、女優さんが喜ぶようなシーンは作りたくない」的な発言をしていて、『陽暉楼』などまさにそのような映画なのですが、今また観たからこそわたしは、「そんな映画も絶対必要だ」と断言できます。
映画の醍醐味に一つですからね。

最近観返して映画で少々残念だったのが、マイケル・マン監督の『ラスト・オブ・モヒカン』。
大好きな作品の一つだったはずなのですが、今回の鑑賞ではあまり感心しなかった。
どうも「出逢ったばかりの女性に恋に落ちる」まではいいけれど、「出逢ったばかりの女性に命を懸ける」という展開はあまりに唐突で入れませんでした。
出逢って本当に、一日とか二日でそうなるんですから。


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