●末尾ルコ かつて語ったラウラ・アントネッリ 3 [「言葉」による革命]
ルキノ・ヴィスコンテ『イノセント』と言えば、ガブリエーレ・ダヌンツィオ『罪なき者』を原作とした、卑近な言葉を使えば、「感応不倫物」であるけれど、なにせヴィスコンティだ。
豪奢な本物の衣装、セット、いや、「本物の建造物」あるいは「本物の部屋・調度」など。
「大金」をかければ映画ということではないが、「大金も時間も惜しまない」のも映画の十大要素の一つだ。
映画が映画であるためには、文学にはできないこと、ましてやテレビドラマには絶対できないことをしなければならない。
豪奢な本物の衣装、セット、いや、「本物の建造物」あるいは「本物の部屋・調度」など。
「大金」をかければ映画ということではないが、「大金も時間も惜しまない」のも映画の十大要素の一つだ。
映画が映画であるためには、文学にはできないこと、ましてやテレビドラマには絶対できないことをしなければならない。
●末尾ルコ かつて語った『獄門島』 2 [「言葉」による革命]
今回の鑑賞で目を惹いたのは何と言っても、大原麗子の美貌。
かつて大原麗子の人気が全盛期だった頃、わたしの感覚がまだ子どもだったからかもしれないが、そのイメージは「ゴージャス系の大人の女」であり、ちょっと「別の世界の人」という感じだった。
しかし今回『獄門島』の中にいる大原麗子は、確かにゴージャスな美貌ではあるけれど、同時に可憐でもあり、ちょっとこうずっと観ていたくなるような。
まあ、「ゴージャス」という言葉の解釈も、今のわたしはずいぶん変わっているのだけれど。
それにしても市川崑のショック演出は上手い。
最初の犠牲者として逆さ吊りの女が現れるシーン。
そのライティングと着物、周囲の暗闇とのコントラストが見事である。
かつて大原麗子の人気が全盛期だった頃、わたしの感覚がまだ子どもだったからかもしれないが、そのイメージは「ゴージャス系の大人の女」であり、ちょっと「別の世界の人」という感じだった。
しかし今回『獄門島』の中にいる大原麗子は、確かにゴージャスな美貌ではあるけれど、同時に可憐でもあり、ちょっとこうずっと観ていたくなるような。
まあ、「ゴージャス」という言葉の解釈も、今のわたしはずいぶん変わっているのだけれど。
それにしても市川崑のショック演出は上手い。
最初の犠牲者として逆さ吊りの女が現れるシーン。
そのライティングと着物、周囲の暗闇とのコントラストが見事である。
●我が母(お母ちゃん)、心臓バイパス手術後、大転子部不全骨折後闘病記&退院後日誌502日目~大人になってこそようやく真に理解できるのか、フランスの大大大大大スター ジャン・ギャバンの『望郷』。 [「言葉」による革命]
末尾ルコ「母の話、健康医療・介護福祉の話題、映画と芸術の話題」
2月20日(水)手術後693日目 退院後493日目
『望郷』がねえ、もうよかったんですわ。
いやホント、一秒も退屈することがなかった。
『望郷』っつったら、そう、ジャン・ギャバンですよ、ジャン・ギャバン。
ジャン・ギャバンがカスバの男「ペペ・ル・モコ」を演じ、警察に追われながらも「メトロの香りがする」パリの女「ギャビー」と運命の恋に落ちるっつー映画。
監督がジュリアン・デュヴィヴィエですよ。
『望郷』は子どもの頃から何度か観てるんですが、今回が一番よかった。
だからその時その時だけの印象で、特に映画史的に「傑作」と呼ばれている作品を(なんだ、つまらないじゃんか)なんて決めつけちゃいけません。
「傑作」とされている映画を(つまらない)としか感じ取れなければ、その多くは観る側の理解力不足によるものなのですね。
作品のせいにしちゃいけませんよ。
そんな人が昨今多過ぎるけれど。
まあ、作品をしっかり理解した上で批判するのはいいですよ。
でもそのレベルに達するにはある程度以上の自覚的鑑賞経験が必要です。
『望郷』はねえ、なにせジャン・ギャバンがカッコいい!!
背は高くないですよ。
プロポーションがいいわけではないし、顔だってやや大きい。
しかしねえ、もう「歴史的大スター」オーラを発散しまくりです。
もう、「格が違う」とはこのこと。
そして男の色気、フェロモンがムンムン。
言葉の深い意味で、カッコいいよねえ。
こういう人観てると、その辺の俳優だの歌手だの、軽々に「カッコいい」なんて言いたくなくなる。
まあねえ、外見の造作じゃないんです、それもありますが、やはり内面からムンムン湧き出る強く奥深い人間性です。
もちろん誰が観てもそう感じるか、それは分からない。
例えばですね、ハンフリー・ボガートと言えば、永遠の映画ヒーローですよ。
世界の映画ヒーロー、とりわけ米国人にとっては特別中の特別で、「映画史上ベスト男優」の1位に選ばれることが普通。
それがハンフリー・ボガートなんですが、ところが母のケアマネさん。
お馴染み映画大好きのケアマネさんですが、『カサブランカ』を観て、
「すごく美しいイングリッド・バーグマンと顔のでかいおじさん」
としか感じなかったというんだからね。
だから「この俳優がいい!」と言っても、そして「この人は映画史上屈指だよ!」と言っても、「好み」の問題は大きいですからね。
ボギー、カッコいいけどなあ。
まあどちらかと言えば、「男が惚れる、痺れる」タイプかもしれませんが、いやいやいや、欧米では女性も痺れているはず。
でもそうですね、やはり女性はロバート・テイラーとか、古くはルドルフ・バレンチノとか、美しい顔立ちの男に惹かれる人が多いのはあるでしょうけどね。
2月20日(水)手術後693日目 退院後493日目
『望郷』がねえ、もうよかったんですわ。
いやホント、一秒も退屈することがなかった。
『望郷』っつったら、そう、ジャン・ギャバンですよ、ジャン・ギャバン。
ジャン・ギャバンがカスバの男「ペペ・ル・モコ」を演じ、警察に追われながらも「メトロの香りがする」パリの女「ギャビー」と運命の恋に落ちるっつー映画。
監督がジュリアン・デュヴィヴィエですよ。
『望郷』は子どもの頃から何度か観てるんですが、今回が一番よかった。
だからその時その時だけの印象で、特に映画史的に「傑作」と呼ばれている作品を(なんだ、つまらないじゃんか)なんて決めつけちゃいけません。
「傑作」とされている映画を(つまらない)としか感じ取れなければ、その多くは観る側の理解力不足によるものなのですね。
作品のせいにしちゃいけませんよ。
そんな人が昨今多過ぎるけれど。
まあ、作品をしっかり理解した上で批判するのはいいですよ。
でもそのレベルに達するにはある程度以上の自覚的鑑賞経験が必要です。
『望郷』はねえ、なにせジャン・ギャバンがカッコいい!!
背は高くないですよ。
プロポーションがいいわけではないし、顔だってやや大きい。
しかしねえ、もう「歴史的大スター」オーラを発散しまくりです。
もう、「格が違う」とはこのこと。
そして男の色気、フェロモンがムンムン。
言葉の深い意味で、カッコいいよねえ。
こういう人観てると、その辺の俳優だの歌手だの、軽々に「カッコいい」なんて言いたくなくなる。
まあねえ、外見の造作じゃないんです、それもありますが、やはり内面からムンムン湧き出る強く奥深い人間性です。
もちろん誰が観てもそう感じるか、それは分からない。
例えばですね、ハンフリー・ボガートと言えば、永遠の映画ヒーローですよ。
世界の映画ヒーロー、とりわけ米国人にとっては特別中の特別で、「映画史上ベスト男優」の1位に選ばれることが普通。
それがハンフリー・ボガートなんですが、ところが母のケアマネさん。
お馴染み映画大好きのケアマネさんですが、『カサブランカ』を観て、
「すごく美しいイングリッド・バーグマンと顔のでかいおじさん」
としか感じなかったというんだからね。
だから「この俳優がいい!」と言っても、そして「この人は映画史上屈指だよ!」と言っても、「好み」の問題は大きいですからね。
ボギー、カッコいいけどなあ。
まあどちらかと言えば、「男が惚れる、痺れる」タイプかもしれませんが、いやいやいや、欧米では女性も痺れているはず。
でもそうですね、やはり女性はロバート・テイラーとか、古くはルドルフ・バレンチノとか、美しい顔立ちの男に惹かれる人が多いのはあるでしょうけどね。