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●末尾ルコ かつて語った『凶悪』 [「言葉」による革命]

映画「凶悪」を観ながら、(影響を受けているかな)と感じた二本の映画です。
白石和彌監督がこの2作を意識していたかは知りませんが、ワルい奴らがいかなる良心の呵責もなく残虐な行為を繰り返す描写が「グッドフェローズ」に、ジャーナリストが家庭など顧みずに犯罪取材にのめり込んでいく姿が「ゾディアック」に共通点があるなと感じたのです。


タグ:映画 アート
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極限の愛、日常の愛、その言葉 2020年11月16日 [愛の景色]

そしてあなたは確かに
三日月の美を纏い
あの花の美を湛えている

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●我が母(お母ちゃん)、心臓バイパス手術後、大転子部不全骨折後闘病記&退院後日誌399日目~10月ある日、デイケアで起こった拍手の理由は?~『A GHOST STORY』の目と感覚を刺激する「霊」の描き方。 [「言葉」による革命]

末尾ルコ「母の話、健康医療・介護福祉の話題、映画と芸術の話題」

11月7日(土)手術後588日目 退院後398日目

10月後半のある日、いつものごとく母(お母ちゃん)のデイケアへ付き添いで、その日わたしはいつものごとくテーブルへついていて、しかしいつものごとくではないこともあって、そうそれは、「スマホを操作していた」ことであったぞなもし。
すると間もなく現在の所長さん(理学療法士)が「息子さん、スマホにしたんですか!」と声をかけてきた。
わたしが、「いやあ~、ガラケーのままでもよかったんですが、充電もできなくなってねえ。ついにauショップへ行ってきましたよ」と応じると、
期せずしてスタッフの方々から拍手が(笑)。
「スタッフの方々」といってもその時いたのは3人だけど(笑)、スマホに変えただけで拍手をいただけるとは、このアルベール(↑わたしの地元での呼び名)、果報者でござりまする!

はい。
少し間が空きましたが、『A GHOST STORY』のお話です。
「幽霊の話」といってもまったくホラー映画ではないのです。
しかし完璧なまでに「幽霊の話」ではある。
一組の夫婦(ケイシー・アフレック、ルーニー・マーラ)がいる。
夫が突如交通事故で死ぬ。
白いシーツを被せられた遺体安置所で途方に暮れる妻。
妻がその場を離れてしばらく語、シーツが持ち上がる。
夫が白いシーツを頭から被った霊的存在として「生き始める」。

この「白いシーツをかぶり、目の部分にだけ穴が開いている霊的存在」という存在感が抜群であり、もちろん撮影センスが抜群なのだけれど、何とも神秘性と切なさや儚さが混ざり合って目を惹きつけるんです。

そして立ち上がった「夫」は歩いて自宅へと向かう。
「普通の場所」を「白いシーツの霊的存在」がゆっくりゆっくり歩く姿もシュールレアリスム作品のような異様さと美しさがある。

「シュールレアリスム作品のような」と言うか、映画そのものがシュールレアリスム映画と呼んでもいいかもしれないけれど、話の展開としては分かり難さはまったくない。
ただ、「霊的存在をどう描くか」という点において『A GHOST STORY』は実に特徴的なのです。
まず、
「霊はゆっくりと歩き、浮遊したりしない」
「霊は自宅へ戻ると、(例外を除けば)家の外へは出ない(出られない?)」
「生きた人間は霊を見ることができないが、稀に気配を感じる場合がある」
「霊は生きた人間に語り掛けられない」
「霊は感情を爆発させると、家具などを投げたりすることもある」
などなど。
厳密に考えると辻褄が合わないこともあるけれど、そこはまあ「霊のお話」ということで。
作品中主人公の霊が家具を投げたりするシーンは、(あ、なるほど、ラップ現象やポルターガイスト現象はこういう解釈ができるんだ)と妙に納得させられるものがありました。
まあラップ現象やポルターガイスト現象が実在するかどうかは知りませんが。

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