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●末尾ルコ 「神のような?」1 [「言葉」による革命]

人間は自分の心も身体も意のままにできない。

普通はそうです。
だから「自らの心身をより意のままにできている人たち」を畏敬の眼差しで眺め、時に憧憬の対象となる。

わたしにとってバレリーナたちはそんな存在だし、スポーツ選手の一部もそうです。
クラシックやジャズの奏者もその中に入るかもしれない。

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●我が母(お母ちゃん)、心臓バイパス手術後、大転子部不全骨折後闘病記&退院後日誌415日目~『ダンスマガジン』と『Newton』を「一冊10円」で買われる過酷な状況が『岬の兄妹』と類似か?~でもヴィヴィアン・リーの『茶碗の中の嵐』を見つけたという顛末。 [「言葉」による革命]

末尾ルコ「母の話、健康医療・介護福祉の話題、映画と芸術の話題」

11月23日(月)手術後604日目 退院後414日目

それにしても36冊の『ダンスマガジン』と『Newton』を持って行って360円とか、BOOK OFFめが!
わたしすっかり、『岬の兄妹』という映画の登場人物のような気分になっちゃいましたよ。
その映画の中で困窮生活を送る主人公配布用ティッシュにチラシを入れる仕事をしているんだけれど、一枚詰めて1円とか、映画の中ではそう言ってました。
キツイよねえ、100枚詰めて100円って。

『岬の兄妹』というインディ系日本映画、著名な俳優は出ていない。
さらにちょっと他の映画ではそうそう見かけない尾籠なシーンもある。
というわけで万人にお薦めはできないが、90分程の作品時間、まったく退屈することはなかった。
『岬の兄妹』を「好き」とは言えないまでも、記憶に残る作品です。

で、そんなBOOK OFFなのですが、今回もひり出し物があったんだからやはりなかなか縁を切れない。
DVDソフトなのですが、ヴィヴィアン・リー出演の『茶碗の中の嵐』。

ヴィヴィアン・リー出演作としては、『風と共に去りぬ』『哀愁』『欲望という名の電車』『アンナ・カレーニナ』など問答無用の映画群は現在でも比較的容易に鑑賞できるけれど、『茶碗の中の嵐』なんていうの、観られるとはなかなか想像もつかなかったですわな。
しかも「290円」。
う~ん。

ヴィヴィアン・リーってでも本当に美しい。
当時のハリウッドにおいても「美し過ぎる」ほどの女優と見做されてました。
その美しさは、しかも常に「危うさ」が同居しているんです。
ヴィヴィアン・リー自身、その人生において様々な精神的困難に追い詰められたことはよく知られていますが、そんな彼女の人生そのものが常に演技や存在そのものの中に表現されている。
だからこそヴィヴィアン・リーは常にスリリング。
「常に」と言うのは、亡くなってから長い年月が経っている「現在でもスリリング」だということです。
本当に凄い女優。
取り敢えず未見の方は、『風と共に去りぬ』を観てほしいですね。
4時間なんてアッという間。
とてつもない映画体験となります。

それにしても日本のメディアは、スポーツと比べると文化芸術にスペースを割きませんね。
例えば『ベル・カント』という映画で渡辺謙が、わたし渡辺謙を特に好きなわけではないですが、世界映画史上に大書されること間違いなしの大女優ジュリアン・ムーアとラブシーンを演じている。
ジュリアン・ムーアと主演級で共演するだけでも凄いのに、ラブシーンまで・・・これはとてつもないことですよ。
ところがそんなことほとんど報道されないですね。
ローカルなお話で恐縮ですが、『高知新聞』なんて毎日2ページも3ページもスポーツ欄に費やしているのに。
このアンバランスさが日本人の精神性や知性、感性にどれほど影響を与えていることか。


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