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極限の愛、日常の愛、その言葉 2021年3月21日 [愛の景色]

慄きだってもちろんある

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●末尾ルコ かつて語った『フェンス』 2 [「言葉」による革命]

映画と舞台劇は似て非なるものでと言うか、場合によってはまったく異なるもので、映画化する際には監督に余程の映像センスがなければ、耐え難い作品になることもある。
もちろん素晴らしい映画化となった作品も数知れず、要するに『フェンス』は、「素晴らしい」のだ。

タグ:アート 映画
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●我が母(お母ちゃん)、心臓バイパス手術後、大転子部不全骨折後闘病記&退院後日誌529日目~碧眼の戦場ジャーナリスト メリー・コルヴィン『プライベート・ウォー』はどうして力を与えてくれるのか? [「言葉」による革命]

末尾ルコ「母の話、健康医療・介護福祉の話題、映画と芸術の話題」

3月19日(火)手術後721日目 退院後521日目

『プライベート・ウォー』という映画がありまして、これ、なかなか観応えあった。
主演はロザムンド・パイク。
ジェイミー・ドーナンやスタンリー・トゥッチなどもいい感じだった。

『プライベート・ウォー』は、メリー・コルヴィンMarie Colvinという女性ジャーナリストの伝記映画と言ってもいいでしょう。

メリー・コルヴィンは英国のジャーナリストで主に戦地など危険地帯の取材で名を成した人です。
そして、二〇一二年シリア内戦の取材中、ホムスで死亡している。
享年五六歳。
取材中砲撃に巻き込まれ死亡。

しかしそれ以前にメリー・コルヴィンは、スリランカにての取材中、RPGの砲撃に巻き込まれ、左眼を失明している。
その後彼女は左眼に黒いアイパッチを装着するというスタイルを貫き、それはトレードマークとなって知られていたとのこと。
黒いアイパッチだから、一見海賊のように勇ましい外見となっているのです。

不屈の精神力で危険地帯の取材を続けたメリー・コルヴィンだから、普段の言動も勇ましかったらしく、もちろん自己主張は明確に打ち出し、仕事の上での妥協は許さない人物として描かれている。
しかし同時に、その時に猛々しいまでの性格や言動の裏で、度重なる紛争地などの取材により経験し続ける過酷な状況が彼女の精神に大きなダメージを与え、PTSD(心的外傷後ストレス障害)にも苦しみ続けていた事実もしっかりと描かれている。

ここにわたしたち鑑賞者は救いを見る。

どんな救いを?

つまり、あまりに狂人に見えるメリー・コルヴィンであっても、究極的にはわたしたちと同じく「弱さ」を兼ね備えた一人の人間であるという現実を目の当りにすること。
そう、彼女が常に何ら恐れも悩みもなく、常に強く勇敢な人格として描かれていたならば、(ああ、そんな凄い人もいたんだ)と、どうしたって「別の世界の人」のように捉え勝ちとなるだろう。
しかし違っていた。
メリー・コルヴィンは悩み、苦しみ、時に休養生活を余儀なくされていた。
そして、そうであっても彼女は再び立ち上がり危険地帯へと向かった。
ここにわたしたちにとっての救いがあり、わたしたちの魂を鼓舞する力がある。
(メリー・コルヴィンもわたしたちと同じ人間なのだ。そしてどんなにダメージを負っても、また立ち上がったのだ)と。

もちろん彼女が、周囲の制止にも関わらず、敢えて極度な危険地帯へ行き、結局あまりに苛烈なシリア内戦の取材へと乗り出し、ホムスで命を落とした事実について、(そこまで命を危険に曝すべきか)という問いかけはあるだろうけれど。

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