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昼下がりの蔭と蝉 [生と死のためのアート]

ある昼下がり。
もうすぐ夕方という時間。
側溝に沿って並んでいる木々の間からこぼれる光は秋の香りを含みつつある。
(ああ、暑いけど気持ちのいい午後だ)
などといつもは背負っているはずの重い荷物のことも忘れたように深い息をした。
年中陽の当らない小道へ入るとまだ真夏だというのにひんやりとした空気まで肌をくすぐる。陽光の中の黒く冷たい蔭の空間を抜け、
家に着いた。
ガレージにまたしても蝉が仰向けで動かずにいる。
(また根性のない蝉かな)
そう思い、軽く靴で押した。
蝉は全く動かなかった。
周囲の木々からは午後の蝉たちの鳴き声が降り注いでいた。

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「マッハ!!!!!!!!」 [末尾ルコ(アルベール)の成長する小さな映画批評]

「マッハ!!!!!!!!」プラッチャヤー・ピンゲーオ監督

主人公(トニー・ジャー)の本格的な格闘アクションはスゴイのだけど、やや単調なカラー、映像、そして唖然とするほど平板な演出、延々と続くフラットな音楽。非常に不思議な時間だけれど、決して充実しているとは言えない。(笑)

3点

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● ルコ美醜悪学 展開-会話 6 [ルコ美醜悪学]

もちろん「身の回りの出来事」が「話題」の中心であることは分かるが、それだけでは「会話」が貧しくなるだけでなく、「人生」も貧しくなる可能性がある。

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「歸國(きこく)」堀北真希、出番わずか!他を圧するたけしとARATA。吉高由里子新作主演映画「婚前特急」 [吉高由里子]

「歸國(きこく)」を観た。
全体的な印象から書くと、「反戦」のメッセージをセリフで説明するシーンが多く、まあテレビドラマの性質上仕方ないかのかもしれないが、「説明的・説教的」内容の作品となっていた。
もちろん普段放送している多くの連続ドラマよりも志しや取り組みなど、遥かに高いものを目指していたというのはよく伝わって来た。
「第二次大戦前後の日本」と「現代の日本」、どちらが幸福かというテーマは重要で、このようなドラマを観た視聴者が少しでも現代日本に疑問を持てば、その存在価値はあるのかもしれない。
セリフでの「説明」が非常に多いドラマだったが、ビートたけしが石坂浩次を殺害するシーンで発する長台詞はなかなかいい文章だった。
映画でもしこのような「説明的・説教的」作品を作れば非難される対象となろうが、テレビドラマとしては上等なものだったと言えるだろう。
俳優陣ではやはりたけそ、そしてARATAの存在が他を圧した。
それと同時に、3人目に名前の載っていた堀北真希の出番の少なさにも驚いた。(笑)

吉高由里子の嬉しい新作映画ニュースが正式に報道された。
吉高由里子ファンの間ではかねてから話題になっていた「婚前特急」だ。
まだ公開は先だけれど、杏との共演は実に楽しみだ。
「婚前特急」に関してもどんどん応援していこう。

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「ぼくのエリ 200歳の少女」 [末尾ルコ(アルベール)の成長する小さな映画批評]

「ぼくのエリ 200歳の少女」トーマス・アルフレッドソン監督

恐怖、孤独、愛、永遠、戦慄、哀しみ、悪、怒り、そして美・・。およそ映画に求めるべきもののほとんどをこの作品は備えている。そして随所に見られる映像と絵画をかけ合わせたような絶妙なショット。莫大な制作費をかけて作られたCG満載の映画がバカバカしくなる。

9点
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