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小説 神秘アンチエイジング&エロス 208 千円札 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

おそらく心臓が3メートルくらい前へ飛び出た。
それでもすぐには信じられなかった。
あの男たちが自分の名を呼ぶ?
あの男たちの心の中に「瑛次」という具体的な言葉が刻まれた。
これから彼らの記憶の上に瑛次が蘇るとき、「あのラーメン屋の男」ではなく「瑛次ちゃん」になる。
(出なければ。早くここから出なければ・・)
強引にでもレジを振り切り、店から出なければどんなことになるか分からない。
「じゃ、ここに置いときますから」
瑛次はレジに千円札を置き、そのままドアの方へ体を向けた。

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
実際の効果には、個人差などがあるものだと思われます。

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4月初め。「ニュースJAPAN」秋元優里と箕輪幸人の瞬間。 [生と死のためのアート]

事実

4月1日の「ニュースJAPAN」で解説委員の箕輪幸人が新成人にメッセージを贈る。

わたしの感想

これを聞いて「熱くなったぜ!」という新成人はいたのだろうか?

事実

4月2日(だけではなく、ほぼいつも・・だろうが)の「ニュースJAPAN」。
視聴者に向かって熱く語る秋元優里。
盛んに切り替わるカメラ。
正面から、右から、左から、正面から、そしてついにはデスクに映る秋元優里をもとらえる。
とらえるだけではない。
全てのショットでじょじょにズームしていき、秋元優里の「想い」をあぶり出そうとする。

わたしの感想

「ニュースJAPAN」って、いったい・・。

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「無自覚な破壊」に対する虚しさ  「うるさくてもシズカ」大石静 「婦人公論」(2009 8/22) [ルコ的読書]

つまり「何かに反抗してやろう」「新たな価値を作ってやろう」という意味で伝統に対して反発しているのであれば時に評価できる場合もあるだろうが、「無自覚」で伝統破壊「無礼」を行っている者たちに対しては空しい怒りしか覚えない。
「虚しい」というのは、「破壊」しているとも知らずに「破壊」している者たちに対しての無力感というのはよく分かる。

例えば何かの意見に対して「それは違う」と異を唱えるのであれば、せめて「その意見」について理解した上でなければならないと思うのだが、まったく理解できていないのに「違う」などという人間もよくいる。
そうした人間を相手にするときの虚しさ。

もちろん時に「無自覚な破壊」から新しいものが生まれる場合もあるのは知っているが。
まあ滅多にそんなことはない。

大石静は次のように書いている。


今、浴衣をくずして着る女の子たちには、残念ながら、伝統を壊すという意志はない。その生き方のゆるさが、皮肉にも、浴衣の着方のだらしなさになって表れているように思える。

     「うるさくてもシズカ」大石静 「婦人公論」(2009 8/22)    
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瑛太・上野樹里共演「素直になれなくて」に出る井川遥とバラエティ番組と吉高由里子 [吉高由里子]

4月スタートの瑛太・上野樹里共演「素直になれなくて」で「主演の2人以外の見どころは井川遥だ」と書いた。
と言ってもテレビドラマのことだから、いい俳優が出ていても「いい見どころ」が与えられるとは限らない、と言うか、与えられないことが多い。
しかし映画中心に頑張っている俳優が出演している場合は、応援の意味も兼ねてチェックすることにしている、基本的に。

井川遥と言えば「癒し系」などという言葉を冠せられグラビアアイドルと認識されていた。
そこでどういった「意志」が働いたのか、かなりの知名度を得た井川遥がバラエティだけれどバラエティなどに長く登場することはなかった。
井川遥がほしのあきや井上和香のようにならなかった分岐点ではなかったか。

誰かが「女優、俳優」であろうとするのであれば、「作品」以外での露出は控えねばならない。
一時吉高由里子が宣伝のためにバラエティへ出た際に「おもしろい」という評判がたち、多少危機感を覚えたが、宣伝以外で出る意志はなさそうで、さすがに賢明(事務所を含め)だと胸をなでおろしている。


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「力道山」ソン・へウン監督 (批評後半) [末尾ルコ(アルベール)の成長する小さな映画批評]

「力道山」ソン・へウン監督

プロレスを扱う映画がよくこそばゆい展開になるのは、試合を「ショー」としてとらえるか「真剣勝負」としてとらえるか曖昧だからだ。稀なケースを除きプロレスはもちろん「ショー」なのだが、なぜか多くの映画で「真剣勝負」として扱われている。この「力道山」もそのあたりが曖昧で、力道山の苦悩がはっきり迫って来ない。しかし完全な「ショー」として扱えば、ストーリーとしてさばくのがかなり難しくなるだろうから、案外プロレスは難物だ。
ところで「力道山」の中、遠藤幸吉役として秋山準、東浪役として橋本真也が出演していたが、わたしは「彼ら」だと気づかなかった。(だからどうした!という気もしますが 美笑)

5点
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NHKドラマ「火の魚」尾野真千子の魅力とテレビドラマの限界 その六 [生と死のためのアート]

「火の魚」の中で尾野真千子は「ある秘密」を持った女性編集者として登場する。
あの原田芳雄演ずる作家と知的に丁々発止するわけだから、有名なだけの若手女優ではつとまるわけがない。
その点で尾野真千子の起用は成功していた。
原田芳雄が「お、こいつやるな」という真理に至る(言ってみればお約束ではあるが)過程をスムーズに導き出していた。

その点はなかなかよかったのだけど、いくら尾野真千子(と原田芳雄が)が頑張ってもどうしてもドラマは一定のラインから深まっていかない。
まあ、ここにテレビドラマの限界があるわけだが。
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